第21話 更なる絶望へと

どうも、有言不実の帝国ゴリラです。結局昨日は1話しか投稿できなかった...

ごめんなさい。


言い訳すると、ワクチンの副反応で左腕上がんねぇし頭痛かったんですよ。

今も結構酷くて、布団の中でキーボードをカタカタやってます。


人差し指だけでキーボードカタカタすんのなんか小学生時代を思い出すなぁ。



――そんな事より、全ッ然あらすじに追いついていない事に気付きました。

『とある悲劇をきっかけに、主人公が覚醒~』ってところ。


あと、3人称視点→アベル君視点→主人公視点→アベル君視点です。

分かり辛くてすいません

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ライトたちが走る先にある、微かな光。

間違いなく、あれは太陽の光だ。


ライトが地下牢にぶち込まれてから、もう1か月以上経っている。


(日の下に出ることを、どれだけ待ち望んできたか――!!)


ライトは、逸る気持ちを抑えることなく、ただひたすらに走る。

ライトは、自分たちが追われていることすら忘れただひたすらに光の元へ走る。




――そして今、ライト達が立っているのは、扉の前。

光は、この扉に付いている小窓から漏れ出たものだった。


(この光の先に、俺が待ち焦がれていた自由がある!)


ライトは、そう思った。


「...何かおかしい」


アベルがそう呟く。

が、興奮しているライトには、それが聞こえていなかった。



そして、なんの警戒もせず扉に手を掛ける。

正に興奮冷めやらぬ、という感じだ。


「開けるぞ!!!」

「ライト!まっ―――」


そして、ライトは警戒もせずに、注意も払わずに、勢いよく扉を開けた。







何かおかしい。

オレは違和感に気付いた。


ここには、オレのような捕虜が大勢閉じ込めている。そういうヤツらを管理するには、やはり大勢の人員が必要なはずだ。

なのに、地上の建物内に出てから、一度も兵士に出くわしていない。


上手くいきすぎている。


まるで、おびき寄せられているようだ――


(待てよ...)


オレはハッとする。

大勢いるはずの人員は、どこに行ったんだ?

まさか、出口で待ち構えているのでは―――


その事に、今更ながらに気付いた。


(まずい...!!)


「ライト!まっ―――」





(やっと自由だ!!)


俺は、扉を勢いよく開け放つ。


自分が脱獄犯で、そしてここが堅牢な要塞を転用した強固な監獄である事を忘れ、

ただ待ち焦がれた自由を手に入れるために、なんの警戒もせずに扉を開いたのだ。




――――それが、いけなかったのだろう。

考えれば当たり前の事だ。箱の中を走り回るネズミが捕まえられないなら、出口を塞いでしまえばいい。ただそれだけの事だ。




「動くな!!」



――――扉の先には、大勢の兵士が居た。





予想外――といっても、オレは直前にその事に気付いたが――の光景に、目を瞠る。

あまりの事に、一瞬思考がフリーズするが、何とか持ち直す。

そして、今のこの状況を打破するため、全力で脳を働かせるが――


(...あ、これもう駄目な奴だ。)



気付いてしまった。もう終わりだ、と。

全力で考えたからこそ、この状況はもう取り返しのつかない程絶望的である事を理解してしまった。



ライトがもっと注意深かったら――と思わず心の中で毒づくが、それは詮無き事だ。

それに、気付くのが遅かった自分にも非はあるだろう。



(まぁ、そんな事より――)


「...ライト」

「―――...」


未だに呆然としているライトに声を掛けるが、反応はない。


「ライト!!」

「っ!な、なんだ?」


返事は返ってきたが、反応が薄い。それほどショックなのだろう。


――だが、こうして話せる時間は、もう残っていない。



「――ライト、昨日の夜話たこと、覚えてるよな?」

「...あぁ。」

「って事で、後の事はよろしく。」

「アベル...」

「巻き込んで悪かったな。でも、最期にお前と会えて、オレは嬉しかったよ」

「――こちらこそ、すまない...」

「気にすんなって。」



手に持った槍を、握りしめる。

覚悟は、当の昔にしてある。



――気がかりも、未練もある。

だが、それを果たすことは、もう出来ない。



「仲良しごっこは終わりかな?殿下?」


隊長らしき人物が、煽るように言ってくる。


「そうだな。終わりにするよ。――何もかもね」

「アベル...」

「じゃあな、ライト。」

「あぁ...さよなら、だ――」


手に持った槍を掲げる。


「おいおい、魔術が使えない魔術師如きが、槍で俺たちに敵うとでも?」


煽ってくる敵の隊長。だが、そのその槍が矛先が、オレ自身である事に気付き、血相を変えた。


「ま、まさか...!やめろ!」


思いっきり息を吸い、高々と宣言するように言い放つ。


「お前らの国にこう伝えろ!!合衆王国の第1王子、アベル・ブリセーニョは、例え敵に捕まろうとも!誇りを忘れる事なく!立派に散っていったとな!!!」



そして、自分の胸に、


――――全力で槍を突き刺す。



途端。今までに感じた事のないような激痛が走る。


――が、全力でオレは不敵な笑いを浮かべ、こう叫ぶ。


「合衆王国に栄光あれぇぇぇえ!!!」


「やめろぉぉぉお!」






敵兵が何か叫んでいるが、もう何も聞こえない。

血が止めどなく流れていく。


命が、どんどん擦り減って行くのが分かる。

それを感じながら、オレは思った。


(やっぱ、死にたく、ねぇなぁ。)



それ以上に、強く想う。


(せめて、もう一度アイツに――)


会いたかった――そう思った瞬間。

オレの意識が急速に薄れていくのを感じ、そして、とうとう意識が切れた――




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ってことで、今回のが主人公にとっての悲劇であり、覚醒へのきっかけになります。


あ、あと題名短くしました。

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