第13話 再戦Ⅱ
もう余裕などこれっぽちもない4本目
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決闘が始まってすぐ。
俺はもう危機的状況に陥っていた。
どうするどうするどうする!?
このままじゃ嬲り殺しだ。
何か打開策を見出さなければ!
「降参しないの?」
頭をフル回転していると、余裕そうな声が耳に入る。ヒロはもう剣を下げており、余裕に満ちた澄まし顔で話しかけてきた。
「するわけねぇだろ!」
「そうか...」
...ここから抜け出す方法が思いつかない。もうこうなったら、切れる手札は全て切ってしまおう。そんな決心をして、最後の技の準備をしているとーーー
「...なるほど。君の覚悟は伝わった。何をするつもりかは分からないけれど、全部受けきって見せよう。」
完全に俺の事を舐めた発言。しかし、俺は何も言い返さない。わざわざ隙を見せてくれるというのなら、そこを突かない理由はない。
「ーー土の精霊よ、我が呼び声に応え、分解しろーー」
「ーー火の精霊よ、我が呼び声に応え、万物を融解させる熱を灯せーー」
「ーー木の精霊よ、我が呼び声に応え、敵を突き刺す鋭き杭となりて発現せよーー」
ーーーーこれが、俺の返答だ!
一つ目の魔術は、埋まってしまった足を解放し、自由に動かせるようにするもの。
二つ目の魔術は、単に、物体に熱を灯し、超高温にさせる魔術だ。そして、熱くさせる物は俺の剣の刃。
三つ目の魔術は、その詠唱から分かるように、鋭い杭を発現させる魔術だ。
「ーー突き刺せ!!ーー」
俺の言葉で、空中に浮いていた木の杭たちが一気に動き出した。
木の杭はヒロの無詠唱魔術により粉々にされるが、その隙にヒロへ走り出す。
何故か過剰に粉々になった木の杭だった物は、小さな粉末となって空中を舞った。
そして、ヒロが俺に向けて魔術を放とうとするがーーーー
「ーー水の精霊よ、液体となって発現せよ!ーー」
その瞬間、ヒロの真上に水の塊が発生した。ヒロが警戒して真上を見上げるが、
それ自体には何の攻撃性もないものだ。そして、それ目掛けて全力で手に持っていた剣を投擲する。さっき魔術でアッツ熱にした剣だ。赤くなっており、もう少しで融解しそうなことがわかる。
俺の謎の行動に、ヒロが目を見開く。
ヒロからすれば、魔術ではこちらが上であり、俺に勝機があるとすればそれは剣での斬り合いのみ。故に、その唯一の勝機を文字通りぶん投げてしまったように見える訳だ。
ヒロがこちらの意図を探るような視線を向けて来る。
「察しが悪いな...!」
大量の水に、滅茶苦茶熱くなった鉄の塊。そして、粉々になって煙のように空中を漂う可燃性の物質である木片。
それらが意味することはーーーーーーー
「爆発しろ!!」
剣が水に突入した瞬間、その水が大爆発を起こし、それに引火される形で再び爆発が発生した。
そう、これは水蒸気爆発。そして、それを着火元とした粉塵爆発だ。
...............
.........
......
...
爆音とともに二段階で発生した爆発により、大きな砂埃が発生する。
ギャラリー、審判、そして俺が固唾をのんでそれが晴れるのを待っているとーーー
「...化け物が」
そこには、ボロボロになりながらもしっかりと二本足で立っているヒロがいた。
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これ以上は無理や。
し、しかたないんだ!親に寝ろって言われたんだ!
~~こんな物書く暇あるならもっと進めろよって思ったけどここで豆知識。~~
水蒸気爆発は熱したフライパンに水を掛けたらジュワッてなるあれをめっちゃ大規模にしたもので、粉塵爆発は本分にある通り、可燃性の物が空気中に漂っている状態で着火すると発生するもの。
特に粉塵爆発は危険で、台湾じゃ負傷者約500名、死者15名が出るほどの事故があった。 なにやらイベントで使用された可燃性の物質を含むカラーパウダーが原因となった様子。(コピペです)
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