第9話
四人はそれぞれ見つけたもの、起きたことを話した。
「おい、ティナ怪我してねーか? 」
「はい! 白さんが守ってくれたので! 」
「そちらは何か収穫はありましたか? 」
「とりあえずいろいろと役立ちそうなものが揃っていた。 金を稼いだら色々と買おう。」
「そーだな。 まずは金策からだな。」
四人はギルドの受付へと向かった。
「すみませーん。先ほど冒険者の申請したものなんですけど。」
「皆様、大変お待たせいたしました。冒険者として認可されました。こちらが冒険者の証です。」
四人は自分の書かれたカードのようなものを渡された。
これを持っていれば、王都から認められてる冒険者という証なんだという。
そして冒険者ギルドに依頼されている素材集めや、魔物討伐、問題解決などを達成すれば、報酬がもらえるという。危険度が高いものほどもらえる報酬が多いらしい。
「さっそく何か依頼を受けたいんだが。」
「あちらの掲示板に、様々な依頼がございます。その中から依頼を自由に選んで、目標を達成しましたら、受付へと来てください。」
「わかった。」
四人は掲示板のもとへと向かった。
「どの依頼がいいですかね…? 」
「とりあえず簡単そうなところからがいいんじゃね? 」
「そうだな。 これなんかどうだ? シルバーウルフの討伐及び素材の採取。数の上限もないし報酬もよさそうだぞ。 ティナ、シルバーウルフについて何か知っているか? 」
「シルバーウルフはとても獰猛で、群れで行動する魔物です。後は体を覆う体毛が固いことで有名です。大丈夫でしょうか…。」
「きっと大丈夫ですよ、四人で力を合わせれば。」
「わ、わかりました。」
四人は早速町周辺のシルバーウルフ討伐へと向かった。
しばらく歩いているとそれらしき群れを発見した。
「シルバーウルフってのはあれか? ティナ。」
「そうです。」
「全部で15匹ほどいますね。こちらに気付いて威嚇しているようです。」
「ガルルルッ」
「三人とも準備を整えろ、俺と白が前衛でエドとティナは後方からサポートしてくれ。」
「りょーかい。」
「が、頑張ります。」
「よし行くぞ。」
大和と白はシルバーウルフの群れへと突撃した。
大和は指輪を刀に変え、シルバーウルフへと斬りかかる。
しかし、シルバーウルフの体毛は固く、傷は入ったが致命傷とまではならなかった。
「固いな。ならば”斬撃強化”」
大和がスキルを唱えると、刀身が光りだした。
そして再びシルバーウルフへと斬りかかった。先ほど弾かれたのがウソのように次々と首をはねていった。
「さすが大和さん。では僕も。”打撃強化”」
白は指輪を棍へと変え、シルバーウルフへと攻撃を仕掛ける。
棍での攻撃はウルフたちの確実に頭を次々と捉え頭蓋骨を砕いていた。
「あー、こりゃあ俺たちの出番はなさそうだぞ。ティナ。」
「そうですね。強すぎますね。」
二人の活躍でものの数分で、ひとつの群れを撃退した。
エドとティナは拍手していた。
「いやーおみごと、やっぱ強いねぇお前ら。」
「ホントです! なんもしなかったです私たち。」
「楽勝でしたね。大和さん。」
「ああ。ティナ、こいつらの素材はどれだ? 」
「えっーと、牙と毛皮です!」
「よーし、じゃあさっさと採っちまおうぜ。」
「採ったら次行くぞ。」
大和たちは、半日で五つの群れを撃退、約80匹ほどのシルバーウルフを討伐した。
「今日はこんなところですかね。」
「そうだな。続きは明日にするか。」
「一度ギルドへ戻りましょう! 」
四人はギルドへと戻った。
ギルドに入った途端、周りがざわつき始めた。
「おい、なんだあの量…。」
「なんて奴らだ…。」
「なんか騒がしいな。」
「そうですね。まあとりあえず、受付に報告と素材の納品をしましょう。」
「おーい。受付のねーちゃん。依頼の報告に来たぞ。」
「はい、かしこまりま…って、ええっ!? 」
ギルドの受付はとても驚いてあたふたしている。
今まで一日でこんな量の討伐は初めてだと言う。
「えっーと、少々お待ちくださいね…。 えーシルバーウルフの討伐で80匹…。 牙が80本、毛皮80枚…。 今回の報酬は合計して、銀貨24枚と銅貨50枚になります…。」
「えっ! そんなに貰えるんですかー! すごいですぅ…。」
「なあティナ、どのぐらいの価値なんだ? 」
「えーっと、銀貨一枚が銅貨100枚分の価値なので、銅貨2450枚分になりますっ。 暫くお金には困らなそうですっ。」
「はへー。そんなにか。 」
「それで周りが騒がしかったのですね。」
「とりあえず、今日のところは引き上げよう。 昼間白たちが絡まれたような輩がいるかも知れない。」
「そうですね。近くで宿を探して今日のところは休みましょう。」
四人はすぐにギルド内で注目の的となった。
近場の宿を探していると、声をかけられた。
「へい、旦那たち。今日の宿は決まったかい? 」
「いや、まだだ。」
「それなら是非うちの宿なんかどうだい? 飯付きでふかふかのベッドもあるぜぇ。 」
「どうします? 」
「まーいいんじゃねぇの?」
「私も大丈夫です。」
「そうか、ご主人よろしく頼む。 二部屋だ。」
「よし、じゃあ一人銅貨五枚だ。」
四人は部屋へと案内され、一息ついた。
しばらくすると、宿の主人から食事の案内がされた。
ティナの料理もおいしいが、この宿の料理もなかなかいける。
皆で雑談をしながら、食事を済ませた。
二部屋とった理由はティナが女の子である為だったが、一人では心細いとのことで、
大和とエド、白とティナという組み合わせになった。
四人は翌日また依頼をこなす為、早めに就寝した。
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