第4話 柔らかったな
この学園は復讐を望む者が大半である。授業としての陰陽術、黒魔術、シャーマン術などは限界がある。
ゆえに、それぞれの同好会がある。放課後などに活動している。
わたしは水泳部と放課後授業である。あの生徒会長より偏差値の高い大学に行くことで、この復讐心にケリをつけるのだ。
目標は京大クラスである。何故、東大でないかと言うと模試がC判定なのだ。
ま、浪人するつもりもない。
さて、温水プールに向かって気分転換だ。
「待てよ、わたし達が案内するのだよ」
友恵と川菜が追いかけてくる。仕方がないな。ここは甘えてみるか。わたしは二人の後を付いていくのであった。小さなグランドを横切って。温水プールに着く。
「き、き、着替えてくるね」
わたしは一旦、二人と別れて水着を着る。この水着は水泳部の公式なので頼んで貰ったのだ。
そして、しばし待つと練習用の競泳水着姿の二人が現れた。相変わらず、貧乳と爆乳である。
「はわわわ、恥ずかしい」
友恵が頬を赤らめる。おいおい、歓迎会のたこ焼きパーティーがボツになって、脱いだくせにと呆れる。
水泳部の活動はかなり自由度が高い部活であった。基本初心者なので50メートルを泳ぎタイムを計るだけである。しかし、貧乳の友恵より爆乳の川菜の方が泳ぐスピードが速いのが不思議だ。まさかの筋肉でもあるまい。
「むむむ、今、失礼なことを考えたでしょう」
川菜はわたしに近づくと手を取り胸に持っていく。
『むぎゅーと……』
うむ、柔らかい。違う!何を恥ずかしいことをさせる。
「ポ、初めてなの」
だから違う、誤解される様なことをするな。わたしは川菜から逃げて距離をとる。
「はぜ、はぜ」と息を切らす、これも呪いの内かもしれない。
ここは「シスターに報告するぞ」と言う。
「ひー、この事は内緒でお願いします」
大体の力関係は理解できた。さて、歓迎会の時間が近づいてくる。今日はこれくらいで上がろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます