小説 最愛の妹を亡くした日とその後…

星矢 純

プロローグ

 僕が生きる意味はあるのだろうか。僕にとって生きるとはなんなのだろうか。と、片岡 雷斗は自分自身に問いかける。

 僕には妹がいた。その妹、片岡 凪咲なぎさは昔から体が弱くて、少々の風邪でも数日寝込むほどだ。だから僕はいつも妹のことを気にかけていた。

 中学生に上がってからは特に。ちょうどその時に両親が他界した。原因は飛行機の墜落らしい。その一報が伝えられた日はブラックホールに吸い込まれたような闇の奥深くに突き落とされたような感覚に陥った。でも幼馴染に言われた一言によって、僕はどん底から這い上がり、なんとしてでも凪咲を守るんだ!と奮起した。勉強、部活、バイトなど様々なことを頑張り、凪咲を養わせようとそう思った。

 しかし、その頑張りは儚く散っていくのはそう遠い話ではなかった。

 僕が高校2年になった初日の放課後。僕は凪咲と一緒にショッピングモールで買い物をしていた帰り、横断歩道を渡ろうとした次の瞬間、大型トラックは猛スピードで凪咲のいるところへ近づいていた。

 「危ない!!!」という声は凪咲には届いただろうが、時既に遅し。猛スピードした大型トラックにねられた凪咲は、意識不明のまま病院へ。

そのまま意識が戻らず死亡。

 親以上に時を過ごしてきた妹の死という現実に受け入れることができなかった。それほど妹の死というのはとても辛くて、悲しいものだった。

 これから親もいない、妹もいないという生活を始まろうとしている…。

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