第15話  春

 冬が明けて、少しずつ気温も上がり始めて気が付いたら3月も中旬。

寒い冬から春への移り変わりの時期は毎年新鮮に感じる。


 冬にしか感じることのできない、あのヒンヤリと冷たく澄んだ空気に春に移り変わろうとする太陽の暖かい光が差し込んでくる景色はとても美しく自然界の芸術である。

 また、長い冬の間お別れしていた動物や植物など様々な生き物の活動も徐々に活発化していき、久しぶりの再会に懐かしさを感じる。


 私たち人も同様に、徐々に活動が活発化していく生き物の1つである。太陽が昇っている時間が長くなっていき、人が活動できる時間も増えていく。

 そして、寒い冬の間体温を逃がさないように体が強張り緊張していたものも少しずつほぐれ、気も体も緩んでいき爽快な気分になる人が多いのではないだろうか。


 ふと考えるが、太陽の活動時間と人の活動時間は比例しているように感じる。

 夏は日が長く、冬は日が短い。なんとも当たり前で、それがそういうものだと確定付け深く考えたことがなかったが、ここに大きな想像的空間があった。

 人は日が長いと多く活動できるが、日が短いと活動に制限が掛かる。


 人の活動は太陽の活動に依存してる。


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