第13話 哀愁

 一週間ほど前に大学の卒業論文を書き終え、今週のあたまにその卒業論文発表が行われた。発表についてはおよそ20人程度の学科の先生の前で行うため緊張気味ではあったが、およそ練習通り行うことができた。しかし、先生方の少し意地悪な質問に対しては、上手い返しができなかったように感じる。

 そして本日、研究成果の引継ぎ作業を現3年生と行い、これで私の大学生として行うことのすべてが終了した。


 私は、論文発表が終わり、研究成果の引継ぎ作業を含めてあと数回は学校に行くものだと思っていたのだが、本日の引継ぎ作業の後にラストミーティングのようなものを行なったため、今日が最後の登校となってしまった。私の大学では、卒業式はキャンパスではなく都内の大きな施設で行うため、校舎を見るのも今日で最後になってしまった。そして、それに気づいたのはキャンパスを出た帰宅途中であったため、引き返すことができなかった。


 最後に4年間お世話になった校舎と、友とたくさんの思い出を作ったあの空間をもう1度ゆっくり見てくれば良かったという後悔と、もうあの場所に行けないという気持ちに愁いている。


 大学4年間の思いはまた後日に語ろうと思うのだが、これだけは言っておきたい。


4年間自分と関わってくれたすべての人や物、場所や空間などに感謝の意を表します。


          

           本当にありがとうございました。

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