第6話 ストレージ
最近物忘れについて悩んでいたら、人の脳がスマートフォンのストレージに似ているように感じた。
新品のスマートフォンにはストレージの空きが多いので、たくさん保存することができる。しかし数年使っていくと、ストレージが満杯になっていき、保存できなくなるので、使用していないアプリ、必要のない写真や動画を削除したり、使わないと分かっているアプリは初めからインストールしないでストレージに空きを作っておく。
人も同じで、子供の頃は脳が新品で、ストレージにまだまだ余裕があるため、見たもの、聞こえたこと、感じたことなどを次々に覚えていった。しかし、大人になるほどストレージが埋まっていくので、空き容量がなくなり、覚えられる量も限られてくる。だから、年齢を重ねるたびに新しいことを記憶するのが難しくなっていくように思う。そして、ストレージが満杯になってしまうと記憶を保存するスペースがなくなってしまうので、不要な記憶を削除して空き容量を作っている。こうして、無意識に脳内ストレージを整理していて、この記憶を削除している作業が物忘れとなっているのではないだろうか。
しかし、無意識に脳内を整理していると、時々、必要な記憶も削除してしまう時がある。スマートフォンで例えると、意図せずに必要なデータが消えてしまった状態ではないだろうか。しかし、機械なら事前にUSBなどにバックアップをとっておけば復元することができる。人にはUSBなど外部に記憶を保存しておくツールがないので、記憶を復元することは難しいが、メモをとって忘れないようにするなどの対策はある。
人間にとってのUSBはメモを取ることなのかもしれない。
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