閑話 超極限値理論

 ルカに説明した0除算を定義する理論である。

 

 ルカの世界では0を除算するのが禁止されているらしい。

 確かに0という数字は少し考えにくいものであるが、それはあらゆる0を全て同じ0と捉えているから起こるものである。


 [1]0、[1]∞という数字を定義する。

 [1]0×[1]∞=1、[1]0×2=[2]0、[1]∞×2=[2]∞、([x]0)^2=[x^2]0^2であるとする。

 ※和差算に於ける0や∞は、ある条件下でなければ、定義した値を用いることができない。

 

 ひとつ、定義した値を用いた演算を考えてみよう。

 一行目に面積0(正確には[1]0)の点が1つあるとしよう。

 そして、二行目には上記の点が2つあるとする。

 これをn個続けていく。n行目には点はn個ある。

 この時、点の個数はn(n+1)/2である。

 だが、面積はというと、0に何を掛けても0の為、面積は0である。

(定義を用いると、面積は[n(n+1)/2]0)


 とりあえず、解りづらいかもしれないから、少し遠回りする。

 1~100までの点の個数を数える時、1+100、2+99、3+98……と続けていくと、仕舞には50+51で止まる。これを簡単にしたものが、101×50であり、100(100+1)/2と変形できる。

 これが、n(n+1)/2の正体である。

 

 次は、さっき定義した[1]∞という値をnに代入してみよう。

 これは、列が[1]∞個存在したときの面積を求める式となっている。

 これを計算すると、[1/2]∞([1]∞+1)となる。

 

 [1]∞>>1である。よって、{}内は次のように近似できる。

 [1/2]∞([1]∞+1)≒[1/2]∞×[1]∞

 これを解くと、[1/2]∞^2となる。


 ∞についた次数は次元の数であり、[]内の数字はその次元で有効な値になる数を指している。

 つまり、面積のない(正確には面積の見えない)点の∞個の集合は、∞の係数に対応する面積を持つ。

 n=[1]∞の時、それは2次元上で1/2の値を持つ、つまり1/2の面積を持つことになる。

 これは、区分求積法という積分に数列を応用した方法を、∞を用いてわかり易く説明したものだ。


 また、極限や数列・関数の発散/収束/振動をはじめ、ある程度であれば上記の定義を用いるとより直感的な理解ができる。

 そんなニュアンスで、図示し書きつつ説明したんだけど、理解してくれたかなあ。


 ※ある条件下とは、計算式内に於ける全ての数字が、計算結果に於ける次元までの情報を持っている必要があるということである。

 例えば1-1=0に於いて、其々それぞれの数字内に近似され消えている[x]0^nがある事を示せば、和や差を小さい方のnまでの次元に於いて、定義した値を用いて表す事ができる。

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