第139話 ハンディキャップ戦
「つまり、戦えという事か」
真田も口を開く、このローズという男から発するオーラは、過去に会った修羅天外に通ずる者を感じ、物怖じおした。
恐怖を感じるのは、真剣で戦う真田に取っては、必要な才能の一つであり、その直感は正しい。
「オイオイ、俺は、もう嫌だぞ」
大谷は大きく、首を振り拒否する。
「あんたが、戦ったら3秒で殺されるよ」
麗奈は冷静にツッコむ。
じゃあ、誰が戦うか麗奈は、頭を捻る。
(長い手足タイプ的には、中間距離で突き放す打撃と仮定して、自分と同じタイプ、しかし、相手の方が射程がある、それに、組み技も使えるかどうかは、わからない、嫌、使えない理由はない、悔しいけど多分組み技は私より上、戦うなら…)
麗奈が考えている間に、陸も真田も自身が戦う想定し、戦略を練っていた。
沈黙の中、ローズは口を開く。
「もちろん、これは、正式な試合ではない、Sクラスの私は、通常では試合を組むことはない、ハンディキャップマッチだ、私は1人、貴方達は4名で戦えばいい」
麗奈、陸、真田、大谷は、目を見開く。
「私は、1回のダウンでも負け、もし私が負けるなら、私達の知る羅刹の情報を提供しよう、もちろん、映像もだ」
馬鹿にするなと、言いかけるが麗奈は言葉を飲み込む、羅刹の戦いを見ても、勝てると自信をもち、尚且つ、羅刹を調べにきた自分達をまとめて相手しても問題ないと言いたげな態度、かなりの実力者で間違いないだろう。
情報を得る可能性は高い方がいい、ここは、条件を飲むのが最良だ。
「心遣いどうも、でも、一斉に戦うのは私達のプライドもあるし、得意じゃないわ、だから、私達は一人づつ勝ち抜きの形でやらしてもらう、そうね、5分3ラウンド、判定なしの引き分けは私達の勝ちってのどう」
せっかくなら勝ち筋を上げる方法をとる麗奈、流石にやり過ぎたかなと思うが、ローズは問題ない事を告げる。
「マダム様、勝手な行動をお許し下さい、しかし、これで明日の私と羅刹の試合の穴埋めにはなるのでないでしょうか」
「そうね、天上院の女性に修羅の坊や、それに、理真流剣術の剣客、私達の兵を倒した喧嘩屋、貴方にとっても相手に不足はないじゃないかしら」
ローズは、マダムからの言葉に力を貰ったかのように不敵の笑みを浮かべる。
「この戦いの勝利を貴方様に捧げます」
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