第135話 逃げ腰
舗装されていない空き地は草むらに囲まれ、乗ってきたタクシーと何人かの横たわる男達、そして、棒きれを振り回す大谷、それはもう勝負は決したと思われても仕方ない光景だった。
「くだらん茶番にはつきあってられん、ジャガーとっとと終わらせろ」
スーツの男に急かされジャガーは距離を詰めるが、大谷の逃げ腰の振り回しにタイミングを計っている。
(次のタイミングで)
ジャガーがそう思った瞬間、足元に棒を投げ牽制、そして、一気に後に後に駆け出した。
大谷の視線の先には乗ってきたタクシー、敵前逃亡、皆がそう思った。
(鍵がある、俺はついてる)
大谷は、体を半分だけ車内に乗せて、鍵を回しエンジンを駆ける。
「これで、終わりだ」
大谷は迷いなく、アクセスを踏込む、狙いは逃げ道ではなく、ジャガー。
突然の出来事に、ジャガーは、身体を固めて守りの体勢を取るが、流石のジャガーも身体を回転させて吹き飛ばされる。
痛みで、悶絶するジャガー、その痛みで地面から立てずにいる。
立てないジャガーが目線を上げると、そこには息の荒い大谷が立っていた。
「悪く思うなよ、『武器』の使用はお前らが認めたルールだよな」
そう言って大谷は、ジャガーの顔に蹴りを入れて意識を絶った。
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