第131話 大谷の不運
チンピラ如きが真田、陸の相手になるはずは無かった。
棒きれで真田に上段から大きく振りかぶってくる相手を避けずに、勢いが乗る前に手首を掴み、捻りながら武器を奪い取る。
真田はその棒きれの重さを確かめてから、自身の流派の基礎となる脛切りを練習するようにチンピラ脛を打ち付ける。
チンピラは地面に蹲る、戦意は痛みで消えていくようだ。
陸もまた、修羅の技なく大勢を相手に問題なく圧倒していく。
大谷は1人離れて自分の場違い感を感じていた。
「まじかよ、やっぱり俺いらないんじゃない」
その集団の1人が鉄パイプを持って大谷に向かって来る。
まじかよ、そう呟いて大谷は構えを取る、大振りの攻撃を躱して顔面に右ストレートを叩くが、体格差もあり、びくともしない。
鉄パイプを横に降るのを大きく避けた為に大谷は尻もちをつく。
チンピラは、ニヤリと笑い鉄パイプを大きく振りかぶる、大谷はその隙に砂を顔面にかけ、相手が怯んだタイミングで急所を大きく蹴り上げる。
そして、拳大程の石でチンピラの頭をかち割った。
「まったく、冗談じゃないぜ」
大谷が、そう言って周りを見渡すと、タクシーの運転手以外は皆地面に倒れていた。
その光景を見てまた、大谷は呟く。
「ほんと、冗談じゃないぜ」
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