第129話 入国

 喫茶店のやりとりから、一週間後、ベトナムの空港に降り立つ四人の日本人男女。


 修羅陸、天上院麗奈、真田剣之介、大谷雅紀、

もちろん目的は観光ではない。


 「ここからは、単独行動はもってのほかよ」


 「わかっている、戦う事が目的ではないが、それなりの覚悟はしてきている」



 麗奈と陸の緊張感を他所に、大谷はまだ、気持ちが入っていない様子だった。


 「なんか、腹へってないか、せっかくだから、本場の美味しい物でも食べてぇな」


 真田は、空港内を見渡した、怪しい人物はいないが、仕掛けるならこんな人目のつく所ではしないだろうと思っても油断はできない。


 (流石にこんな所で仕掛けないか)


 「さてと、今日は、タクシーに乗ってホテルにによってご飯食べてから作戦会議といいますか」


 

 「おい、そんな悠長なこと言ってていいのか時間だって限られてるんだろう」


 陸は、少し先程との発言との対照的な麗奈に口調を荒げる。



 「まあまあ腹は減ってはところもあるでしょ。それに慌ててもしょうがない時もあるし」


 麗奈は諭し、真田は同調する。

 「俺は異論はない」


 このメンバーのリーダーは麗奈となり、提案が優先された。

 「じゃ、タクシーでも拾いましょう」


 そう言って空港の外に出て、麗奈はタクシー乗り場でタクシー運転手を一人捕まえて乗車する。


 みんなの荷物は多くないので、みんなそれぞれ脇に抱えた形になる。

 滞在期間も2泊3日程度を考えており、何もなければそのまま戻ってくる。


 実際のところ修羅志天がなくなった場所を見に行き、その地域の人に少し情報を聞くレベルの話用心を越したことはないというので、このメンバーだ。


 陸は、より深くを考えているが、まだ、来たばかり長い1日が始まろうとしている。


 




 

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