第127話 男同士の喫茶店
「なんで俺なんだよ」
繁華街、昼の平日の喫茶店、2人の男が向かい合い座っていた。
携帯で居場所を聞かれ、来た男の要望に素直な疑問をぶつけた。
要望を伝えたのは真田剣之介、ほんの1時間前に、依頼を受けた時も真田は同じ反応を示した。
真田は、学園長に呼ばれ、海外に行き、裏格闘界のことを少し調べるメンバーとして行ってほしい事を伝えられた時に同じ事を言った。
自分は、阿修羅にも天空にも敗北している、適任者とは思えなかったからだ。
しかし、天井院がの答えは変わらなかった、負けはしたが、武器格闘の面においては真田の理真流剣術の方が強い、真田が枷を外せば天空に負けることもないだろうと。
真田はイマイチ腑に落ちなかったが、自分の実力を試すいい機会だと思いと、命のやり取りをする機会に惹かれ首を縦に振った。
そしてもう一人を推薦、そこで、真田が目につけたのは過去に付き合いのあったボクサー大谷雅紀であった。
少し伸びた髪にパーマに金髪、以前、阿修羅にやられた大谷雅紀からは、少しイメージが変わっていたし、あの時よりも少し細くなっている。
話は頭に戻る。
「なんで、俺なんだよ」
その疑問は最もだった、阿修羅の刺客として当て馬にされた中では実力は下位だ、それは当人も理解している。
「みんな忙しいし、お前のその格闘家じゃない卑怯な所は今回の戦いに必要になりそうだしな」
大谷は大きくため息をつく。
「俺も、暇じゃないんだよ」
大谷は、3日間程前に、街でチンピラと喧嘩をした、目があった肩がぶつかったそんな些細な事がきっかけであった、大谷はその場から離れようとした男をボコボコにしてその場から逃走した。
些細な喧嘩で終わらなかったのは、その男が麻薬の売人で、その喧嘩が原因で警察が介入し、売人が捕まった。
その為に、組の人間は大きな損害を受け、その発端の人物を探している。
それが、大谷の耳にも入っていたので、正直、それどころではなかったが、ほとぼりが冷めるまで海外に行くのもいいかなと考えていた。
そんな、中、お店に入っていた長髪、髭面の大男が、2人のテーブルの前に仁王立ちをする。
「そっちの男に用があるのだが」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます