第125話 陸対麗奈 その2
麗奈の打撃は、2種類に分かれていた、打撃に体重を乗せて威力を増す打撃と、そうでない打撃、呼吸から全ての打撃の威力を底上げ出来ていないが、半分は威力を上げるのは、かなりの実力者と言っても過言ではない。
麗奈の使う打撃は、修羅の打撃の呼吸法であったが、それを連続で使えるまで、研鑽されていた。
天上院は誇らしげに語る。
「元は修羅の基本打撃の呼吸法、それを天上院が鍛えあげたのだ」
体格差を埋めるための打撃の呼吸法、吐くと打撃のタイミングを合わせて、打撃に体重を乗せる事により、威力を増す打撃、通常は一つの打撃だが、それを連続で行う麗奈。
しかし、陸とて上級者、絶え間ない打撃の威力の劣る『吸う』タイミングの打撃に合わせて、カウンターで手を出す。
連撃の間の打撃の為、陸と麗奈の打撃は交差しお互い被弾した。
お互いふらつくがほぼダメージはない、陸としては指を立てて目潰ししたかったが、グローブの為それはできなかった。
グローブが煩わしい、陸の思考にノイズが走ったタイミングで麗奈は態勢を整え、コンビネーションで攻めたてる。
左ジャブ、右ストレート、ワンツーからの返しの左ストレート。
打撃のつなぎ目に、左ローキック。
先程までの、連携とは代わり、威力を落とした削るコンビネーションに変えた麗奈。
「スポーツ化した格闘技を甘くみたな、ルールの制限内で高められた技術が、進化していない古流に負ける理由はない」
天上院の言葉に、阿修羅は眉を曲げる、たしかに陸は防戦一方だが、グローブがなければ、投げも締めも、『修羅の技』も使えるのだ、実力で負けている訳じゃないのだから、不満も貯まる、しかし、それと同時にある思考に辿り着く。
「修羅の技が制限されて、技を使えないので、お父様は公式の試合に出なかったのですか」
「技を使わなくても戦えるし勝てるが、修羅の技術を使わない修羅というのも、おかしな話だしな、それに全力で戦えないのは相手にも失礼だからな」
そんな中、試合は一歩的な展開で終わる事となる、陸が当てた打撃は一発のみ。
試合終わりの合図が2人に伝えられる。
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