第3話

 おかしなメールが届いてから3日目。

 夜勤が終わって家に帰ると、ある場所に電話を掛けました。


 その場所と言うのは、消費者生活センター。

 こういうのは素人が悩んだって解決しません。プロに任せないと。


 と言うわけで電話して、対応してくれた職員さんに、変なメールが届いたこと。電話番号が悪用されているらしく、間違い電話が頻繁に掛かってきてることを伝えました。


 そしてもしかしたら、自分の口座からお金が引き出されているのでは。それも相談してみました。

 すると、返ってきた答は。


『ページにアクセスできなかったのなら、口座からお金を取られるとこはありませんね。あれはページに誘導して、必要な情報を入力させないとできませんから』


 え、大丈夫なのですか?

 セーフセーフ! とりあえず最大の心配事はクリアしました!


 そしてこれは後に分かるのですが、翌月に銀行の利用状況を確認してもおかしな引き落としは無かったので、職員さんの仰った通り口座の不正利用はされていなかったようです。

 ほっとしましたよ。


 しかしお金は大丈夫だったにしても、問題は何も解決してはいません。

 おそらく電話番号の悪用は続いているわけですから。


 職員さんどうすればいいか相談したところ、番号が利用されたことでもしかしたら今後、怪しいメールや電話が来る恐れはあるかもしれないとのこと。

 怪しいメールとは、今回事の発端となったであろう詐欺メールのようなやつですね。

 もしそういうのが届いたら、無視するよう言われました。


 ええ、分かっています。実は今までにも何度も、そういった怪しいメールは届いていましたけど、全部無視していました。

 ただ今回は寝ぼけていたせいで、URLにアクセスしようとしてしまったのですけどね。実際アクセスはできませんでしたけど、アクセスしようとしたその行為がいけなかったのか、電話番号がおかしな使われ方をされてしまったわけです。

 今後同じ失敗をしないよう、気を付けなければなりませんね。


 そしておかしなメールが来ても、無視するよう言われました。

 どうやら金銭的被害が出ていない以上、無視してやり過ごすのがいちばんみたいですね。

 この程度ですんで、良かったと言うべきか。


 と言うわけで、消費者生活センターへの問い合わせはこれで終了したわけですけど。それからまた、知らない番号から電話が掛かってきました。

 また宅配業者と勘違いして掛けてきた人がいるのか、それとも大事な電話なのかは出てみるまで分からないわけですから、とりあえず出るしかないですね。

 まあ出た結果、やっぱりと言うかなんと言うか、勘違いして掛けてきたパターンだったのですけど。


 相手は年配の女性っぽかったですね。そして、この時自分は言いました。


『すみません。もしかして再配達に関するショートメールが来て、そこに記載されていた電話番号が、自分の番号だったのでしょうか?』

『え? はいそうです。ショートメールできました』

『それは詐欺メールです。自分のところにもそのメールが来て、電話番号を乗っ取られてしまったんです。そのメールにはURLが貼ってあったと思いますけど、絶対にアクセスしないでください。お金を取られる恐れがあります!』

『そうなんですか!? どうもありがとうございます』


 こんな風に、電話の相手に警告しました。

 自分みたいな被害者を、増やしたくありませんでしたから。


 それから何回かおかしな電話が掛かってきたり、中には再配達をお願いするショートメールが届いたこともあります。

 ショートメールに関しては、返事をせずに放置することにしました。真実を伝えた方がいいかとも思ったのですが、深入りしすぎてまたトラブルになったらと思うと怖かったので。

 送り主がどうなったか分からないのが、モヤモヤしますけど。


 そして日が経つにつれて、そういった電話やメールも来なくなり、終わったと思いたいです。

 一時はどうなるかと心配でしたけど、間違い電話やメールが届いただけで終わって本当に良かった。

 それにしても元凶である詐欺メールを送った誰かには、天罰が下ってほしいですね((º言º))


 さて、これで詐欺メールに関するお話は終わりですけど、エッセイはもう1話あります。

 詐欺メール騒動の裏で起きていた、もう一つの出来事とは。

 おまけエピソードになります。

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