IF特別編SS クリスマスと先輩後輩

「せーんぱいっ♪」

「ん?…なんだお前か」

「なんだとはなんスか!!可愛い後輩が声掛けてるんスよ!!もっと嬉しがって欲しいッス!!」

「わーいありがとううれしー…これでいい?」

「むきーっ!!馬鹿にしてるッスね!!」

「むきーって言うやつは馬鹿にしたい」

「〜っ!!!!」

「顔真っ赤でめっちゃプルプル震えとる」

「怒ってるんス!!」

「はいはい、で?改まってなんかあんのか?」

「そうッスよ先輩!!用があってきたッス!!」

「おう、それで?」

「えっと…」

「おん?」

「その…ッスね…」

「言いにくいんか?」

「いや、違っくて、ッスね…」

「そうか」

「…よしっ。先輩!!」

「はいよ」

「来週の土曜日、一緒に出掛けませんか!!」

「そんなこと?もちろんいいけど」

「え、いいんスか!?」

「別にいいけど」

「なにか予定とか…」

「無いって」

「…クリスマスですよ?」

「そうだな。…え、なに?彼女とか居ないんですね寂しい先輩ですね〜とかそういう遠回しな悪口?」

「いやいやいやいや!!先輩って顔怖いけど意外と人気あるじゃないっすか!!」

「人気意外が余計すぎるだろ!!」

「あ、すみませんッス」

「ったく…」

「でも、友達とかから誘われないんすか?クリスマスパーティとか」

「嫌だわパーティとか」

「あ〜、すっごい行きたくなさそうな顔してるッス」

「知らんやつも大勢居そうなとこに行きたくないし、そもそもめんどくさい」

「めんどくさいって…え?じゃあボクと出かけるのはいいんスか?」

「それは当たり前だろ、結局一人で過ごすよりお前といた方が絶対楽しいしな」

「…不意打ちズルいッス」

「なんだ不意打ちって」

「なんでもないッス!!じゃあクリスマスデートお願いしますね先輩!!後でまた連絡します!!それじゃボクは日直なので!!」

「あっおい!!…なんだったんだ」



『先輩、お疲れ様ッス!!』

「おーう、お疲れーぃ」

『それじゃ早速どうするか決めるッス!!』

「はいはい、待ち合わせは朝からでいいのか?」

『先輩に迷惑でなければ…』

「おう、大丈夫だ。それじゃあだな…」

『いいッスね!!だとしたらこう…』

「あー、でもそこだと人多そうだな」

『あ、そうッスね。それじゃあ…』

「いいね、そこなら大丈夫そうだ。じゃあ午後はこことか…」

『えっ、いいんスか?間違いなくいっぱいいると思うッスよ』

「苦手なだけでトラウマとかじゃないから大丈夫だ」

「ならいいッスけど…」

「じゃあそんな感じでよろしくな」

「いえ!!こちらこそよろしくッス!!」

「可愛い後輩との初デート、楽しみにしてるぞ!!じゃあまたなー」

「へっ!?ちょっ、せんぱ」


「………」

「いつも先輩って呼んでくる後輩が今は眼力だけで『先輩コノヤロウただじゃおかないッスよ...!!』って伝えてくる怖い」

「一言一句違わず理解してる先輩のが怖いんスけど!?」

「あと文字にしたら分からないことするのやめてくれない?」

「何を言ってるんスか!?」

「顔真っ赤だし」

「放って置いて欲しいッス!!」

「で、俺はなんで睨まれてるん?またなんかやっちゃいました?」

「非常識異世界主人公ッスか先輩は…非常識なのは顔だけにして欲しいッス」

「非常識な顔って暴言過ぎんか?」

「いやッスねぇ、非常識なくらいかっこいいってことッスよ!!」

「お、おう」

「へ?なんスかその反応」

「いや…」

「もしかして照れてるんスか〜??先輩も可愛いとこあるッスね!!」

「…そりゃ可愛い後輩がそんな耳まで真っ赤にして言ってくるんだから照れもするだろ」

「へ?…あ、赤くなんてなってないッス!!これはあれッス…そう!!寒いからッス!!」

「…」

「…」

「わかった、わかったから睨むな」

「それでいいんスよ…」


「先輩先輩、今日の帰りなんスけど」

「あー、悪ぃな。今日はちょっと用事あっから」

「あっ先輩もなんスか、ボクも用事があるので報告をと思いまして」

「別にRAINで良かったのに、なんか悪いな」

「いえいえ、ボクも忘れてただけッスから!」

「ありがとうな、じゃあ明日な」

「はいっ」

「デート楽しみにしてるぞ」

「ひゃいっ!?」

「さいなら〜」

「〜っ!!!!もうっ、あんまりそういう態度見せないから天然なのか策士なのか…天然とかなさそう、絶対揶揄ってるだけッスね」


「でも明日のデートで絶対振り向かせてやるッスよ、覚悟して下さい。先輩♪」







「先輩、なんでもういるんスか」

「開口一番随分なこと言うじゃねぇか」

「30分前ッスよ?早過ぎません?」

「可愛い女の子を待たせる訳にはいかんからな」

「おっ、先輩今のはポイント高いッスよ〜」

「はいはい」

「可愛い女の子って」

「そこかよ」

「後輩って言わなかったッスから」

「は?…あー、だから女の子でポイント高いと」

「察しが良過ぎるとそれはそれで嫌ッスね」

「そこはどうしようもないだろ…っと、ここじゃ寒いし喫茶店行くか」

「そうッスね!!ココア飲みたいッス」

「あ、それと」

「なんスか?」

「俺は最初から女の子と思ってたぞ」

「………へ?」

「先行ってるぞ〜」

「えっ、あっ、ちょっ!!待つッス!!今のどういうことなんスか!!先輩?せんぱ〜い!!」
























12/25

IFルート、というか強めの幻覚かな

迷ったけどここまでにします。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る