第3話

小学5年生になろうとしていた時が人生の暗黒期の始まりだ。

3月に曾祖母が動けなくなった、歩くとふくらはぎに激痛が走るというのだ。

祖母は珍しく世話を焼くことにしたらしい。

私が病気の時は祖母が連れて行かないからと学校の先生が病院に連れて行ってくれていたが、曾祖母はそういうわけにいかないのでということだろうか。

祖母は曾祖母の面倒を見ていた、湿布の張替えの時に激痛で悲鳴を上げる曾祖母を笑いながら張り替えていたのを覚えている。

そんな状態が一週間続いたときに父が返ってきた。

たまたまだったのか、虫の知らせだったのかはわからない。

寝たきりになった曾祖母を見た父は顔色が悪くなって、すぐに救急車を呼んでいたのを覚えている。


結果的に言うと白血病だった、末期です、助かりませんということだった。

ふくらはぎに激痛が走るのは細胞が溶けているからだったそうだ。

細胞が溶けるというのはどういう痛みなんだろう、まだ想像できない。

すぐに入院になった

「こんな状態の祖母をなんで放置していたんだ。」

「だって、病院は嫌だって言うから…」

「引きずっても連れてくんだよ馬鹿なのかお前はなんでこうなんだ!」

最初は言い訳で忙しかった祖母も怒鳴られて祖母は重要性を理解したらしく、2人で忙しく家を駆けまわっていたのを覚えている。

何が起こっているのかわからない、置いてけぼりだった。

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