第2話
小学校低学年の私は社交的で明るかった気がする、だんだん高学年になるにつれて社交性はなくなって、ずっと本を読んでいるようになっていった。
低学年の頃は皆関係ないのだ、楽しく騒げればいいくらいの気持ちだった。
年齢が上がった行くにつれて、勘のいい子、もしくは親が気づくのだろう。
「あの子はおかしい。」
サンドバックにするにはちょうど良かったのかもしれない。
全部を実家のせい、親のせいにするつもりは全くない、私の性格は変わっているんだと思うし、当時の考え方は敵か味方か、白か黒かで 判断基準はその時の私の気分だった。
グレーゾーンがなかったから余計に行き辛かったのかもしれない。
最初は小学4年生、いつも遊んでいた声の大きいタイプの男の子に告白されて、何の気なくごめんなさいと言った次の日だった。
周りの子の対応が昨日とは違うのだ。
遠巻きに見られている気がした、声をかけても距離を感じた。
その男の子は私のことを気に入らないと、意図せず近くに行くことになると
「猫くさい。」「貧乏人。」
小学校も高学年、多感な時期だった、お互いに 他の同級生も皆が多感だった。
家には去勢手術がされていない猫が何匹もいた。
何匹も生まれては長生きできずに死んでいくのを眺める毎日だった。
それでも長生きできた猫は大きくなり子供を作るのだ、増える一方だった。
歳をとった曾祖母が1人で10匹も面倒を見るのは過酷だったと思う。増やしたのも曾祖母だと思うけど。
私は実家の生活環境に慣れていて、臭いにも違和感を感じることはなかった、当たり前だったから。
当時の友達だった男の子に言われて初めて気づいた、私は臭いんだ。
それからは自分で洗濯をして、できるだけ外に干すようにしていた。猫の臭いがうつらないようにその当時できることをしていたつもりだった。
それでもその男の子からはクラスが変わってもすれ違うたびに「臭い」「汚い」と言われて、同調した男の子や女の子からクスクスと笑われることは辛かった。
机に座っていれば女の子から聞こえるように「りりこちゃんって男好きだよね~。」「ね~。」
という会話が聞こえる、最初は気にした、恥ずかしくてたまらなかった。
貧乏人に関しては、先生に毎月1回教室の前に呼び出されるのだ、皆がいる前で。
「りりこちゃ~ん、ちょっといい?」
「はい。」
「給食費なんだけど、今月も支払われてなかったから、これね、お父さんに渡してね。」
貰ったこと、見たことがあるほうがまれなのかはわからないが、知ってるだろうか 給食費が払われないと渡される、給食袋というのがあることを。
給食袋には4月から3月までの判子が押される紙がプリントされていて、払われるとそこに担任の先生の判子が押されるのだ。
給食の時間が1番好きだった、ご飯がおかわりし放題だから、いくら食べてもよくて。お腹が膨れるほど淡々と胃袋に入れていく事が幸福だった。
その時の男の子からの評価は直接言われる、「大食い女」「男女」
女の子から陰で言われる「給食費払わないくせにいっぱい食べるよね。」
本当に皆が多感でしょうがなかった。
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