第28話 見せる戦い
「行くぞ!」
「……」
ヒュ!
ナイフ男は腹を狙った突きを見舞う。
マロンは一歩下がって避ける、が。
クンッ!
「!」
「おっと、これを躱すか」
突きの流れに乗った喉元を狙う切り裂きがマロンを襲い、すんでのところで
頭を反らして避けた。
(こいつ……本気で私を殺しにきている)
「どうした?」
ガンッ!
男は再びナイフの突きをして、マロンは大剣でガードする。
鋭い金属音が小屋の中に響いた。
「今のもガードすると……やるねぇ」
「あまり余裕ぶると痛い目に合うぞ!」
カアン!
「何!」
マロンが強引に大剣を振り上げ、男のナイフが弾かれた。
「武器は無くなった、諦めろ」
「フッフフ……なるほど……面白くなってきたじゃねぇか!」
男は一歩だけ下がり、明らかに不利な状況で含み笑う。
マロンは不気味な予感を感じずにはいられなかった。
「……何が、おかしいんだ」
「この俺が負けそうだって所かな、でも悲しいね。お前は結局勝てない。
とうっ!」
「!」(消えた!?)
男がジャンプした、そう思った次の瞬間には見失った。
「上だぜ!」
そこには柱を利用した壁キックでマロンの上に移動した男がいた。
(まずい!距離が近すぎて大剣で攻撃ができない!)
「ほらよ!」
ガツン。
「ッ……!」
空中で腰を捻ったソバットがマロンの後頭部に直撃した。
これにはマロンも片膝を着く。
(足に力が入らない……!)
「良い感じに頭が揺れたからな……足に響いたろ?」
「マロン!」
見守っていたマロンの父親が男とマロンの間に割り込もうとする。
「おっと、金持ち商人のおっさんは下がってな!」
ヒュン!ザス!
男が胸元から新しいナイフを取り出し、投げる。
ナイフは直線に飛んで、マロンの父親の足と地面を刺した。
「グアアアアアア!足にぃ!」
「父さん……!」
「はっはは……なかなか手こずったけどよ……フィナーレと行こうかぁ!?」
そう言って男はさらにもう一つの新しいナイフを取り出し構える……
*
短めだけど許して。
ちなみに次回でこの章はおしまい。
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