第8話
月が綺麗に輝いている真夜中、一人の影が上空に現れた。
清水が囚われているソッコルソ教の施設を発見と。それじゃあ救出を始めますか。
吸血鬼な彼女は上空から施設眺め、そして降下を始めた。
「う…うん」
目を覚ますと壁を背もたれに座っている状態であると理解する。
そして牢屋の中であったがヴィヒがいない代わりに視界の正面にエルフ耳した誰でも二度振り向くか一目ぼれしそうなほどきれいで豊満な体をした全裸の女性が透明な液体が満たされたケースに眠っていた。そしてそのケースに繋がっている人二人分ほどの大きさを持つ機械があった。
その女性が人工勇者であることがわかる。
「おきましたか」
無駄に透明感があり聞こえやすいアクリルの声が聞こえる。
視界を左上に移動させると全身白色男がいた。周りには部下が何人もいた。
「日付が越えたので、さっそく融合計画を実行します」
抵抗しようとも手錠がされており、殴れない。
アクリルの部下によって強制的に立たされる。
心の中で舌打ちをする。
どうすればいい?いくらスキルが今、三つあるとはいえ人工勇者の一部になる可能性は捨てきれない。
俺を人工勇者が入っているケースに繋がった機械の方へと連れていこうとしてくる。捕まった犯人かのようにちびちびと機械に向かって歩く。引きずられるよりも時間を稼げるのだから。
ドォオオン!!
爆破音と揺れとなって衝撃が伝わる。
なんとか立っていられた。
「ここは私が見ます、すぐに応援を!」
「「「「はっ」」」」
アクリルは部下に指示を出す。
今しかない!
アクリルを機械があるほうに蹴り、自分は機械から距離を取る。
チラリとアクリルの部下の方を見ると、動揺することなく牢屋の錠をしっかりしてから向かっていた。牢屋から出れそうにないな。
「アルメヒティヒ...それが
「なにを言って...」
まさか!
俺はアクリルの方に走り出す。
アクリルは機械に対して何らかの操作をする。するとどこからか無機質な声が聞こえる。
「アルメヒティヒを起動します、完全起動するまで少々お時間が必要です」
迷わずアルメヒティヒが入っているケースを蹴ろうとするが手で止められた。
完全に起動する前に動かせたら不具合がおきることを期待したんだがな。さすがにアクリルに止められるか。
「アルメの現状を確認するのにちょうどいいですね」
俺を人工勇者の相手にしようとしているのか。正直、手が動かせないという不利を抱え、そこに人数不利が加わるとさすがに勝てない。
勝つためには人工勇者が完全起動する前にアクリルを倒し、未知数の力を持つ人工勇者を迎え撃つしかない。
再度アルメが入ったケースを狙うフリをして体を回転しながらアクリルの横腹を蹴る。綺麗に着地して、すぐアクリルが吹き飛んだ壁の方を見る。
「痛いです、さすがに守るのはそちらに意識がいくので難しいですね」
「全くもって同感だ」
アクリルは俺と同じ近接戦闘型であるが互いに武器を所持していない。今の俺の場合はあっても使えないけど。
「ナイフぐらい持ってくるべきでした」
「話して時間稼ぎのつもりか?」
そうして何度も蹴りをした。隙ができると信じて。
「もう邪魔!」
私のスキル『流星群』で施設に奇襲をかけて清水の元に行こうとしたが教団員が出てきて、相手をしているが多すぎる。蟻のようにうじゃうじゃいる。倒しても倒しても視界から減らずむしろ増えている。すでに進むことが困難なほどに。
ここで『流星群』を使えば施設ごと吹き飛ぶ可能性がある。
もー、普段から戦う時は開けた場所にしているのに!
すると壁から岩が急に突出してくる。そして教団員を倒していく。
そんなことをした人は姿を見せた。
「あなた様は!!!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます