12月19日 冬はつとめて
雪時々晴れ。
早朝から少量でありながら雪が降っていた。しかし、起きた時には既に道路は雪で覆われていた。
奈良における雪の予報は、大概あてにならない。中南和の雪の予報なんぞなおさらであった。そもそも、奈良はどちらかというと太平洋よりの内陸に位置するため降りにくい割にただただ寒いという土地柄にある。京都が降っても奈良は降らないということは極めて当たり前の状態であった。しかしながら、今回は朝から雪景色を見るという、冬の朝にふさわしい迎え方をしたのがなんともよかった。
京都に着いた頃には、もうすでに雪は見当たらなかった。一瞬の時間であった。しかし、そのはかなさがいいのである。年から年中雪があっても困るし、年から年中暑さがあっても困るだろう。桜もそうだ。あんなものは一瞬あるだけで十分なのだ。余計なことは言わない、年から年中楽しめるものは避けた方がいいと感ぜられる。
あなたは、ものにいい加減があるのをご存じだろうか。この「いい加減さ」を知ろうとしなければならない。要は、ものに区切り目があることに気づかねばならないということだ。その加減を知らねば、節度無き人間だと勘違いされかねない。だから、知っておいて損はないと思われる。だが、それを知る方法はひとそれぞれであるがゆえに、自学してもらわないと困るものである。
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