12月13日 はたらくこと

 雨のち晴れ。

 バイト中に取り組んでいた課題があったため、あっという間に時間が過ぎていった。この日の天気は雨だと聞いて折りたたみ傘を持っていったが、課題を終えた時には外がきれいに晴れていた。

 私が勤務する時はだいたい一人で勤務にあたる。もちろん職場内には他のスタッフはいるが、自分と同じ仕事をする職員はいない。そのため、退屈な日は眠たくなりかねない場所になっている。だが今日はやるべきことができたせいか、勤務時間が短く感ぜられた。

 禅において、この世でなすことは無駄だらけだという。ただ一日で必要な最低限のことをすませば、あとは何もしなくていいという。そこに「自我」が入る余地はないというのである。

 ひたすら何かをするということは、難しいものである。ただひたすら何することを「専修せんじゅ」というが、これを最初から最後までやり通すのは甚だ難しい。専修念仏の「専修」もこの意味をとるが、簡単なことが継続性を要求されるだけで一気に難易度が増すのである。

 最低限のことをただひたすらこなしていき日々過ごす……これこそ穏やかで整った生活であろう。では、自分の今の生活はどうだろうか。自堕落な生活を送りがちになってきてしまっている。

 親鸞聖人がおおせになったように、この俗世にいるわが身に落ち着き・平安がない。自分の愚かな部分が露わになっていくが、この平安を得る方法が分からない。それであるがゆえに、未だにこの心の中に虚無の念が浮かんでくる。

 もうここまでくると、口で表せぬ領域なのだろうか。

 実は小学生のころ、念仏をただひたすら申したことがあった。だが、周りからは理解されず「頭がおかしい子ども」としてみなされていた。それでも何かが分かると思ってひたすら念仏を申していた。結果何もでなかったのだが……

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