カラーズ
そして、翌日となった。
それは、朝食を取り終わった時の事だ。
「なあみんな。大事な話があるから聞いてくれ」
前日の予告通り、マイケルが、そう話を切り出した。
「なんだ?」
まだ全員食卓についており、全員がマイケルに注目する。
「ずっと前から考えていたんだが――」
マイケルはもったいぶって、周囲を見渡してから言った。
「俺達にチーム名を付けようと思う」
それを聞いて、何人かはホッとする。
何か悪い報せだと思ったのである。
「へえー、いいんじゃないか?」
意外にも乗り気だったのはジョシュアであった。
マイケルの考えでは、マシューかオリビアが喜ぶと思っていたのだが。
「もう名前は決まってるのか?」
更にイーサンも聞いた。
「ああ。カラーズにしようと思っている」
「カラーズだって?子供っぽいじゃないか」
マシューが反論した。
「そう?私はいいと思うけどな。カラーズ」
逆に、オリビアは賛成する。
「それはリビアが子供だからだろ」
マシューがそう言ったが、オリビアに限らず、全員子供である。
「やっぱり色が名前に入ってるから?」
それは、全員ではない。だが7人中3人の名前に色が入ってるのは珍しいだろう。
「そうだな。だから苗字ない奴は好きな色の苗字を名乗っていいぞ」
マイケルがそう言ったが、もちろん冗談である。
「おいおい、それじゃあ俺が仲間外れじゃないか」
苗字がある中で、イーサンだけは、苗字が色ではないので、おちゃらけてそう言う。
「ははっ!すまんすまん」
そのおかげで、それは冗談として終わったのだ。
「それでみんな。カラーズでいいか?」
マイケルが全員を見渡す。
ここにいる七人は、全員マイケルの言う事を信じ、それに反論することなどないのだ。
「もちろんいいぜ!」
「いいよ」
「いいんじゃないか」
「構わない」
「いいわよ」
「ああ」
だから、皆それぞれの言葉で肯定をした。
ここに、カラーズが結成したのだ。
「それで、何か変わるのか?」
マシューがマイケルに聞く。
「いや、何も変わらない。いつも通りだよ」
「えー!なんだよ!」
皆は笑った。
「だけど!」
マイケルは机を興奮気味に叩いた。
「俺達はいつかビッグになるぜ!」
その言葉で七人の心は湧き、全員歓声を上げたのだ。
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