宝石鑑定士もビックリなソムリエもいたものだわ。
「まぁそれがなくても、あんな偽造靴下で靴下ソムリエの私を騙せるとでも? 混沌神さんの敗因はただ一つ――ちゃんと履いた靴下を用意しなかったことだぁー!」
「きゃぁあああ、くすぐったい、くすぐったいから時空神ちゃん!?」
宝石鑑定士もビックリなソムリエもいたものだわ。マジで。
「……お疲れさまでした、カリーナ様」
「あ、うん」
と、メイドホムンクルスに話しかけられた。
「お互い上司の乳繰り合いに巻き込まれて大変ですね、と、仕事終わりのカフェオレをどうぞ。混ざるまでが好きで、完全に混ざったあとのはいらないのです」
「あ。ども。……あの、そっちの上司がうちの神様に翻弄されてますがいいんですか?」
「大丈夫です。これはこういうプレイだと認識してます。我が主は案外押しに弱いので」
うーん、それは目の前の
「結局恋人同士の乳繰り合いだったと」
「ですね」
「くっ、世界をなんだと思ってるんだこの神様達は!」
「デートスポットでは? あるいはラブホテル」
身も蓋もねぇなメイドさんよぉ!?
「あ。ところで黒幕云々は結局本物の混沌神だったってことでいいの?」
「そうですね。つまり私は無実です、何故なら本物の指示でやったことだったので。今上司がしっかり責任をとってくれていますし、私は無罪放免でしょう」
「……カオルは結局なんだったの?」
「あなたと同じ、神の依り代ですよ」
ああ、つまりちゃんとカオルはカオルで居て、チュートリアルの時の俺と同じような状態でご本人が入っているのが今、と。
「ここ、私の領域で! そんな依り代に入っただけの亜神モードで、本気で私に勝てると思っちゃってたってワケないですよねぇ! つまり、弄んでほしいって事でしょ? ええ、ええ、分かってます混沌神さん。今夜はたぁっぷり可愛がってあげますね。あ、今年かな? 10年くらいいっちゃう? いっちゃっちゃう?」
「ち、ちがっ……う!? 依り代から出られない! れ、レナ! 助けて!?」
「上司が勝てない
「レナーーー!?」
「あ。カリーナちゃんも今日は帰っていいですよ。さ、二人でたっぷり楽しみましょうね、混沌神さん!」
と、その言葉がトリガーだったのか、私とメイドホムンクルスは錬金王国の教会へと戻ってきた。
そこにカオルは居ない。うん、なんだかんだ、結局『混沌神』と呼ばれていたカオルを神様に納品してしまった感が否めないな……
アレがもし私の『チュートリアル』と同じ感じだとしたら、意識は残ってるから……その、神様が満足したら解放されて帰ってくるだろう。メイドも言ってたけど色々やってたのは結局本物の混沌神だったわけだし、カオルも無罪のはずだ。
帰ってきたら温かく出迎えてやろう。そうしよう。
「おっ。おかえりニャ。あれ? なんでメイドが居てカオルがいねーニャ?」
そういや居たなミーシャ。
「……まぁその、ちょっと複雑なことになったんだよ」
「あ。私はもう無害なのでご心配なく。トラストミー」
「あ、そうなの? じゃあ良いニャ。神様が帰したってことは許されたんだろうし問題ないにゃ」
うん、確かに? あれ、でもそう考えるとカオルはやっぱり許されなかった……?
いやいや、今回はアレだな。「なんとけしからん! もっとやれ!」という意味で許されなかったんだろうな。うん。帰還を心待ちにしておくよカオル……!
「さて、カリーナさん。実は私、混沌神お手製のメイドで主があの様子だとしばらく暇になりそうな気配です。暇なんですよね。分かります? 暇です」
「えーっと……あ。ウチくる? レナちゃんだっけ?」
「催促したみたいで申し訳ありませんね。お邪魔させていただきます」
したみたい、っていうかモロに催促してたよね?
私はその言葉を飲み込んで、なんか随分久しぶりな気がする拠点への扉を開いた。
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(以下お知らせ)
8/27(火)よりComicREXにて本作コミカライズ(絵:かんむり先生)
が連載開始しましたわよ! 紙の雑誌に載ってるのですわーーーー!!!
9月のも発売!! ハルミカヅチお姉様登場ですわーーー!! カリーナちゃんの初プレイも更なる詳細が……絵で! 絵で!!
尚、フザケた新作もやってます。
『バニーにあらずんば人にあらず ~バニーガールに支配された世界でニンジン屋を営む~』
https://kakuyomu.jp/works/16818093083361398334
最新話まで読んでいただきありがとうございます!
↓の「+☆☆☆」の+部分を連打して「+★★★」にしていってもいいのよ!
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