それはたまに見るにゃあ。
私達が女だけになった途端にこんなトラップを発動させてくるとは、とんだエロダンジョンである。
ここの主の仕業だとすれば、とても気が合いそうだな。
「こりゃあ服だけ溶かすスライムが出てきてもおかしくないぞ」
「あ、それはたまに見るにゃあ。生き物は食べないように調教されてるゴミ処理スライムもいるし」
「普通にいるのか」
ともあれ、探索を続行するしかあるまいて。……いやまてよ?
「これ、この落とし穴の先ってどうなってると思う?」
「え、そりゃー……ゴミ捨て場とか?」
「わざわざ服や装備だけをバラして侵入者を生かして落とす先だぞ?」
「あ。そう言われたらなんか牢屋っぽいとこに通じてるかもしれんにゃ!」
その先は牢屋だろうが、装備を無効かさせずに持ち込めばいいだけだ。念のため元の場所に転移できるようにポインターを設定しといて、っと。
「よし。服を一瞬全部収納して突っ込むか」
「え、いや普通に網の先に空間転移しろにゃ。生身なら大丈夫とか言われても突っ込むのこえーにゃ」
……確かにその方が手っ取り早いし安全だな。
「智将の名は伊達じゃないねミーシャ」
「カリーナはおバカさんだから仕方ないにゃぁ」
「お前今私が空間魔法で空中に留めてなかったら真っ逆さまってコト忘れてない?」
「いーから行くならさっさと進むにゃ。時間そんなねーんだろ?」
と、私はミーシャと共に落とし穴の先を確かめに転移していった。
穴の先は、やはり牢屋のようになっており。斜めにクッションが設置されて安全に収納されるようになっていた。先に落としたリザードマンがぐったり横になっている。
「よく考えたら、リザードマンにポインター撃ち込んで叩き落とした後に転移でよかったかもしれん。時間の節約になるし、その方が安全だったわ」
「カリーナならどうせ戻るのも一瞬だしかわんねーにゃ?」
「それもそうか。んで――」
私は牢屋の前に居る、金髪赤目の女を見る。
うーん、美少女。金髪ポニテの白衣美少女だ。眼鏡をクイッとしている。
……ぶっちゃけかなり好み。やっぱり神様に生贄として渡す前に是非味見させてほしいというか。まぁそんなことしたら神様に勝手するなと神罰食らいそうだけども。
「アンタが真・混沌神とかいうトンチキな名前を名乗ってるヤツってことでいいのかな?」
「そっちこそ悪魔の手先ってことで合ってる?」
「え? あー、うーん? どうなんだろ……?」
逆に聞かれて私は困った。
実際、錬金王国――元錬金王国にとっては破壊神以外の何者でもないもの。
あの神様を悪魔って言われてもなんも違和感ない。言葉を濁さざるを得ないぜ……!
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