『は?』
ミーシャにも鍋をグルグル混ぜるの手伝わせつつ、ブレイド先輩に新生錬金王国について聞く。
「そんで、新生錬金王国ってどういうことです?」
「どうもこうも、錬金王国を作り直そうって感じだな。一応は元々の錬金王国の上層部が主になっての話だな」
ほう、元の上層部が。となるとまともな復興って感じなのかなぁ。
「んで、俺らはその手伝いに雇われって感じだな。さっきも言ったが、かなり金払いがいいぜ?」
「それはちょっと不思議ニャね。Cランク冒険者に金ばら撒くより、何か復興に使うモン買った方がよくね?」
「はは、そこは逆だぜ烈風。俺らみてぇなCランク冒険者を厚遇すれば、他の奴らも集まってくるだろ? なにせ神様が怒って暴れたってぇ話だ、そのくらいしなきゃ人手が集まらねぇって事さ」
なんと。中国の故事で「先ず隗より始めよ」 というのがある。平凡な隗さんを厚遇することでもっと優秀な人が「なら自分はもっと厚遇される!」と集まる、ってやつだ。
まさにその戦略じゃあないか! やりおるな、新生錬金王国!
「マジか、確かに神様が怒った場所ってなったらそうもなるにゃ。つーかめっちゃ頭いいにゃ!! 一体誰が考えたニャ!?」
「なんでもこれを考えたのは新しい王様らしいぞ」
「へぇー王様が。そりゃこの国の未来も明るいかもしれないね」
一体どんな王様なんだろう。
「ああ。新生錬金王国の王様ってことで、真・混沌神を名乗ってる」
『は?』
……あー。うーん。うん。
前言撤回。この国の未来は暗いかもしらんねぇ!!
「ん? どうしたカリーナ急に頭抱えて」
「あー、いや、その。……先輩、今すぐ逃げよう、この国から!」
「は? なんだよいきなり。俺は仕事中だぜ?」
「いいから逃げよう! 命には代えられないって。ね!?」
「……え、そんなヤバいのか?」
こくこくこくと頷く私。
つーかさっき私が反応するよりも早く神様の『は?』があったし!!
『カリーナちゃん』
やっべ。神様のビキッビキッて効果音が聞こえてきそう。
そして時間止まってる。
「……」
『神様からのクエストです。その真・混沌神とかいうやつを殺――ああいや、空間魔法で拉致って引き渡しなさい。期限は三日。成功したら1万SP上げます』
「……ハイ」
というか、教会で神様にお伺い立てなかったのかよ!? なんで真・混沌神とか言ってんの!? 神様激おこファンタスティック大噴火なんだが!?
「……ちなみに失敗したら……?」
『新しい勇者が召喚されることでしょう。先輩として仲良くしてあげてくださいね? その国がまた滅んだ後に』
神様的には真とかネオとかついても恋人以外の混沌神を許す気は無いらしい。
五大老の心の広さをちょっとだけ見習ってください、神様……!
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