錬金王国、どんな悪行したんにゃ
さてさて。そんなわけで私達は旧錬金王国の領土を見てみることにした。
「へぇ、便利だな。部屋にいながら世界中みれるとか……こんなん軍事機密も丸裸じゃねぇか。ヨソでつかうんじゃねぇぞ?」
「……おお、そりゃやべーにゃ!?」
「言われなくても分かってるよ。自分用自分用」
まずは元王都だ。……うーん、クレーター。復興は進んでいないようですね!
「うわ。なんだこりゃ……人類の所業じゃねぇだろこんなの」
「うん、神様が大暴れしたんだよねぇ」
「え? あの優しそうな神様が大暴れにゃ? 錬金王国、どんな悪行したんにゃ」
尚、ミーシャの会っている神様は勿論女神像モチーフの偽神様である。
中身は本物だから別に同じようなもんだけどね。
「優しそうなのか、神様。流石神様だな」
「にゃはっはっはー、私は定期的にお尻の呪いをお祓いしてもらってるのにゃ!」
「おうおう、良かったなミーシャ」
ふふーん、とマシロさんに向かって得意げに胸を張るミーシャ。
もっとも、ミーシャの尻は別に呪われていないし神様がミーシャの尻をいじくりまわしたいから呼ばれているだけだが。お尻叩かれてるだけだが。「この処置を続けていれば悪化することはあり得ませんね」と、そもそも悪化も何もない存在しない呪いのために通わされてるわけだが。
……寵愛を受けていると言えなくもないな。うん。
「そういやマシロさんも神様に会いたいなら、会っていいかどうか聞いてみるけど?」
「え? ちょ、え? まて……えー……」
『……強気ケモケモお姉さんとか、服ひん剥いたうえで首輪つけて四つん這い町中散歩させたいよねッ! 靴下だけ履いていいですよ!』
「あ、ごめんやっぱダメだわ。マシロさんは神様に会わせらんないわ」
「お、おう?? そ、そうか……」
少し残念そうなマシロさんだが、すまない。マシロさんの尊厳を守るためなんだ。
「にゃっはっはー! 拒否られてやんのー!」
「うっせぇ! 神様に会える人間の方が少ねぇっつーの!!」
「まー、ともかく錬金王国は神様の怒りを買っちゃったのでね。仕方ないね」
見せしめも兼ねて、錬金王国は当面このままになるだろう。
「にしても、残ってる人とか全然いないねぇ」
「そうだな。上からだと瓦礫の影とかは見えないが……お、こりゃローパーか?」
「触手だにゃぁ。焼いて食うとちょっと美味いヤツにゃ」
イソギンチャクみたいな触手が生えている一帯はあったが、人の気配は全然ない。
「人間は全員綺麗に死んだのか? 神の怒りってんならあり得るが」
「いや、自称混沌神のジジイ以外は特に意識して殺してはいなかったから、生き残りとかはいる、と思うんだけど……」
「ハッ! まさかさっきのローパー、人間が触手に変えられた存在にゃ!? 神罰にゃ!?」
「なにそれ怖い。神様の仕業じゃあ無いと思うけど」
人を触手に変えるだなんて、チュートリアルではそんなの……
…………
そういやジジイの腕を無茶苦茶に複製して異形にするとかもやったな。やっべ、あり得る。
「まぁ流石に無いっしょ。関係ない一般人には寛容だし」
無関心ともいう。ただし靴下は別腹な。
「あれ? 少し離れたところに集落っぽいのあるな」
「ん? 錬金王国の村かな? そういうのが残ってたのか」
「あるいは盗賊の住処の可能性にゃ! 村が襲われて乗っ取られてのパターンもあるにゃ!」
そんなわけで、その集落をもうちょっと詳しく調べてみることにした。
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