子供の教育に悪いだろうがッ!!


「いやー、ドワーフの伝手すげーにゃー。火酒こんなにあるなんて」

「ほらほら飲んで飲んで」

「おっとっと、ありがとうニャ、ミーちゃん! 私もミーシャで名前が似てるにゃー! 親近感にゃあ!」


 と、事前の約束通りドワーフの酒をミーシャにご馳走した。


「……おいアイツ女王に酌させてんぞ……」

「まぁネタバレは追々ってことだから」

「そのあたりは姉さん達もいい趣味してる、としか言いようがねぇな」


 少なくともネタバレ前に一度飲み交わすのがマイルールらしい。絶対ってわけじゃないけど。ディア君とかお酒飲めないからね。

 お酒を飲めば本性が分かるんだよって? そんなことしなくても五大老きみら余裕で見定められるじゃん? というのは言わないでおく。奥様達の趣味だからね!


「まぁマシロさんもミーちゃん達にお酌されてたよね?」

「そういやそうだった……」


 その時のことを思い出してうう、と気まずそうなマシロさん。


「はいはい、おつまみですよー」

「にゃぁー、ここは天国かニャ? お酒もツマミもあるにゃんてぇ……アイシアちゃん、私の嫁にならにゃー?」

「私、あるじ様に身も心も魂も捧げてるので」


 ちなみに今日のミーシャ歓迎会はミーちゃん達が全部出すと言ってくれているので遠慮なく飲んでもらって構わんよ。私も遠慮なくコピーすっから、好きに飲み食いしてくれ。

 しかし火酒の匂い結構強いな。匂いだけで酔っちゃいそうだよ。


「ねぇねぇ、神様を喜ばせるお尻見せてー?」

「むぃ、しかたねーにゃぁ。ちょっとだけにゃよー?……それー!」


 ミーちゃんにおねだりされて、ミーシャはぷりんと生尻を晒した。


「おぉー、これが神を喜ばす尻……!」

「確かにいい形してるねぇ。肉付きもいい……」

「触り心地もいいね」

「これは再現してみたい尻。枕にしたい」

「穴の中……は、もっと仲良くなってからね! ふふふ」


 5人でぺたぺたとミーシャの尻を触る。再現できるのか、その尻……!?

 これは一大プロジェクトになりそうだな。


 ……


 尻をまるっとコピーしたらどうなるんだろう?

 いや、神様に納品するとかだとアウトだけどさ、ミーシャの尻をコピーしたらいつでも触り放題の可能性……?


 いやそもそも尻だけじゃなく人を丸ごとコピーしたら……


 ……いけるのか!? コピー人間!? 魂とかはどうなるんだろう……

 ……


 と、私がミーシャのコピーを作ろうか悩んでいるところで、お風呂上がりのディア君がやってきた。ほんのり上気した赤い頬。いつもポニテにしてる銀髪を下ろした状態でタオルで拭いている。服はシンプルなワンピースだ。

 お風呂上りで可愛さ倍増してる……良い匂いすんぞくんくん。


「あれ、ミーシャさん呼んだんですね」

「うん。あ、マシロさんお風呂空いたよー」

「おっ、じゃあ入らせてもらおう。ミーシャも一緒に入るか?」

「酔いが覚めちゃうからやめとくにゃー、ひっく」


 と、コップを手にひらひらと手を振るミーシャが、ディア君に気が付いた。


「ディアちゃん! こっちくるにゃ!」

「え? はい……わぷっ!?」

「よぉーしよしよし! いい子にゃ、がんばったにゃ。ディアちゃんは偉いにゃ、あんなカリーナのために全力を尽くしたにゃ!」


 と、突然抱きしめてなでなでし始めた。おいそこ代われ。ディア君は私のだぞ!! ディア君をおっぱいに埋めて良いのは私だけなんだぞ!!


「立派だったにゃぁ、いい子いい子!」

「むぐ、ぷはっ、み、ミーシャさん、苦し……」

「ミーシャ、ディア君が窒息しちゃうでしょ!」

「おっとすまんにゃ」


 ぐいっとおっぱいから引き離し、こっちに抱きしめる。はいはい、こっちおいでー。


「まったく、お風呂上りのディア君をミーシャで汚す気?」

「~~ッ」

「おいカリーナ、ディアちゃんが窒息しそうにゃ、離してやるにゃ」

「あと5秒だけ! 息継ぎもしっかりさせるし!」


 ディア君を胸から解放する。わぁ真っ赤で可愛い。お風呂上りや窒息しかけてたのとは違う照れがあるよ。


「……ミーシャのより私のおっぱいのがいいよね!?」

「そ、そういうのは、その。ノーコメントで」

「なんにゃ? 勝負かにゃ? 受けて立つニャ! このブラいらずの美乳を見るがいいにゃ!!」

「ちょっ、脱がないでください!?」

「オラッ! 子供の教育に悪いだろうがッ!!」

「あだぁ!?」

「いだっ! マシロさんなんで私まで!?」


 ゴツンゴツンと殴られる私とミーシャ。


「カリーナ、お前も火酒の匂いで酔っ払ってんじゃねぇの? ほら、酔い覚ましに風呂入んぞ。ミーシャも来い、脱ぎてぇなら風呂場で脱げや」

「えー? もっとディア君にマーキングしたいんだけど……」

「わかったにゃぁ……ったく、マシロは昔から真面目だにゃー」

「あ、そういうのもっと聞きたい。昔のマシロさんの話してよミーシャ」

「えー? しょうがないにゃぁ、ちょっとだけにゃよー?」


 と、私達はマシロさんに引きずられて風呂場へと連れていかれた。

 入浴シーンはカットだ!


「すげーーー!!! ガチでデケー風呂にゃあああーーーーー!!!」

「……おいミーシャ! 入る前に身体洗えッ!! ケツぶっ叩くぞ!!……つーかアタシはこの風呂入るのと部屋に家賃払ってんだが、ミーシャはどうなるんだ?」

「まぁテラリアルビーにいる間くらいはタダにしておいてあげようかなって。部屋作るならなんか払ってもらうけど」

「ああ、それが妥当かなぁ……おいミーシャ! 飛び込むんじゃねぇ! ケツぶっ叩くぞ!!」


 ……カットだッ!!

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