おめぇとんでもねーにゃ
と、ルーちゃんが五大老のバールゼブルであるとミーシャに話してしまった。
「……おめぇとんでもねーにゃ。五大老を嫁にしてるとか……まぁ、神様の使いならそんなこともあるかぁ」
うわこの猫、普通に受け入れたぞ。さすが親友。
「もー! 勝手に言っちゃダメじゃんカリちゃん!」
「そうだよ! あちきらの些細な楽しみが!」
「これは今夜わっちらにじっくり付き合ってもらわなきゃね」
「あ、そうだね! 今日はあたしらと一緒に寝ようね?」
「そうと決まれば精力剤を作らなきゃ。晩御飯も精の付くものにしてもらおうね」
やぁんごめんて。でも夜は一緒に寝ようね! えへへへ。
「あ、ミーシャもご一緒する? 私はミーシャをエッチな目で見れるぞ!!」
「私は遠慮しとくにゃ。つーかマダム5人と6Pとかとんでもねぇにゃ……」
「四肢をロリ4人がかりで押さえつけられるのとか最高よな! そして最後の一人が私を好きに弄ぶんだ。えへへ、みんないたずらっ子なんだからぁ」
「ロリ……あー、カリーナはドワーフの年齢分かんないタイプか」
「知識的には実年齢は云々って分かるんだけど、どうにもね! 本能が外見を最優先しちゃうのさ! 可愛い奥さんたちだもんね」
私が惚気ると、5人が可愛く照れる。
「「「「「……カリちゃん好きぃ!」」」」」
「私も好きーーー!!」
ミーシャの前でも容赦なくイチャイチャするぜ! 新婚だもの!
「ねーねー、誰があのハーフちゃんのおばーちゃんなん?」
「ん? アイシアのこと? ならあたしー」
と、クーちゃんが手を上げる。
「……やっぱウチのオトンと同じくらいにみえるにゃぁ」
「カーバンクル・ショーニンだよ。よろしくね?」
おおっと、クーちゃんもショーニンを名乗ってきたぞ。えへへ。嬉しいね!
「カーバンクル……おお! 五大老のカーバンクル様と同じ名前にゃね!」
「ん? あ、ごめんちょっとタイム」
と、五大老の皆がこそこそ話をする。
「……もしかしてルーちゃんだけが五大老だと思ってる?」
「ありうる。おバカそうだもん」
「よし! あえて全員ちゃんと名乗ろう!」
「えへへ、あたしもショーニン名乗っちゃった」
「私だけカリちゃんにネタバレされたなー、今日は私が一番だなー」
話を終了して戻ってくる。
「……ウチはバーミリオン・ショーニンだよ!」
「マヘーシバラ・ショーニン! あちきも仲良くしてね!」
「わっち、アンバー・ショーニン! よろろ!」
「カーバンクル・ショーニン! さっき言ったけどもう一度言っとくね!」
「そして私がバールゼブル・ショーニン……!!」
「「「「「五人揃って……ネオ・五大老!!!!!」」」」」
どーん! と無駄に爆発エフェクト付きの自己紹介だ。
なにその5色の爆発、新しい魔道具作ったの? カッコいいじゃーん!!
「えへへ、カリちゃんの言ってた戦隊モノってのを参考にしたんだよぅ」
「なるほどね。いいじゃんミーちゃん。今度私にも使わせて、面白そうだし」
「むしろカリちゃん専用カラーを作るよ。何色にする? 黒? その黒曜石みたいな艶やかな黒はカリちゃんのイメージカラーだよねぇ」
「黒とか追加戦士ポジじゃん。いいね!」
ビシバシグッグッ、とミーちゃんと拳を合わせるようにじゃれあっていると、ミーシャはなにやら考えている。
「……! わかったにゃ!!」
「ん? どったのミーシャ?」
「カリーナおめー、五大老と同じ名前のドワーフを集めたニャ!? だめにゃよ、本物にバレたらぜってー怒られるにゃ!! せめて五大老名乗らせるのはやめた方が良いにゃ!!」
びしぃ! と私に指を突きつけて言うミーシャ。
確かに本当にみんなが偽五大老だったら、本物から怒られるかもしれない。意外と常識人だなミーシャ。
「……いや全員本物だよ?」
「本物がこんな
この見た目でアイシアみたいな孫がいるって情報、頭から消えちゃったかな?
え? 義理の孫なんだろうって? そーきたかー。
「よーし、想定通りのおバカさんだった」
「これでルーちゃんが五大老だって情報もリセットされたね」
「だから独り占めは禁止だからねルーちゃん」
「ちゃんとみんなで代わりばんこだからね」
「ちぇー、しかたないなー」
ちなみに本物の五大老はこのくらいでは怒らないから大丈夫だということになった。
実際わりと五大老に憧れた偽五人組はテッシンにそこそこいるらしい。悪質な詐欺は取り締まるが、『ネオ・五大老』とか『裏五大老』とか『五大老Next』とかそういうパチっぽい名前で、問題を起こさないなら問題ないそうな。
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