まぁそっすね! 続行!!


 さて、そんなわけでお互い1枚ずつ脱いだわけだが、もちろんそれだけじゃ試合は終わらない。

 ましてやこの戦いは決勝。最後の最後、素っ裸になるまでの戦いが期待されている。


 というわけで、私はジャンケン魔法を改造し――


「「叩いてかぶってジャンケンポン!!」――ッ!?」


 今度は、ミーシャがチョキを出し、私はグーを出していた。



 そして私は硬直するミーシャの頭をポンと叩く。


「……ッ、にゃあ?! カリーナてめッ!? なにしたにゃ!?」

「何って。何か見えたのー? 何かした証拠でもー?」


 硬直から解けたミーシャは、ぐぬぬと口を噤む。

 ミーシャからしたら、手が強制的にチョキにされ、負けた直後身体がピシッと固まったのだから無理もない。


 まぁつまり――『空間魔法で相手の手を固定しちゃえば負けるわけがねぇぜ!』だ。

 さらに空間魔法で固めちゃえば防御もできねぇよな? だ。


「そうだなぁ、じゃあ次はその邪魔な腕のリングから外していってもらおうか!」

「ぐぬぬぬぅ!!」


 腕に着けた布リングを外して、床にべちっと叩きつけるミーシャ。

 っていうかだ。そういえばミーシャには『空間魔法で身体を固めて操る』って、前の大会でやってんだよね。

 それを忘れてたのかな? おバカさんかな? かわいいね!


「さぁさぁカリーナ選手優勢か!? 指定したのは腕のリングという我々にとっての焦らしプレイだぁ!!」

「し、審判! コイツ魔法使ってるにゃ! 魔法で妨害したにゃあ!!」

「言いがかりはよしてくれよ。何の魔法だって? そもそも魔法で妨害したらダメなんてルールもないし、別に怪我させたわけでもないし、ミーシャは脱げるし、いいじゃん」

「……まぁそっすね! 続行!!」

「にゃあああああああああ!?」


 お前が始めた戦いだぞ。覚悟しろよミーシャ!


「「叩いてかぶってジャンケンポン!!」」


 そしてミーシャは私(の魔法)に逆らえず、一方的に負けを積み重ねていく。


「腕に着けてたリングもなくなったし……そろそろスカート、いっちゃう?」

「ーーッ!? ま、待つにゃ!? 私今パンツはいてにゃーよ!?」

「ふむ。そういえば最初に脱がしたもんな。じゃあスカートで」


 会場から「「おおおおーーーーーー!!!」」と歓声が上がる。


「人の話聞けにゃ!?」

「手で隠せばいいじゃん。手で。あ、でもアレだね、片手だとジャンケンの後の攻防で一気に不利になるなぁ……!!」

「もう攻防とか関係ねぇクセに今更にゃぁ……ッ」


 ミーシャは涙目になりつつも、スカートを脱ぐ。

 私の渡したパンストがあるので、直接は見えないが――そっと股間を手で隠した。

 一方でパンストに包まれた尻がぷりんと丸見えで、そのラインを強調していた。


「これが! 神を喜ばす尻だぁあああああッ!!!」

「うっせーにゃ審判!! そもそも神が尻で喜ぶとかなんにゃん!?」

「そうだぞ。ここに私の演奏おしりペンペンが加わって初めて『本物』になるんだぞ」

「テメーもふざけたこと言ってんじゃねぇにゃあああ!! 尻叩きを演奏とか言うんじゃねぇにゃああああ!!」

『神様としては叫ぶミーシャちゃんが楽しいので演奏はあってもなくても!!』


 クリアに聞こえた神様の声。闘技場には神像がひとつはあるらしいけど、まさか光らせてねぇよな?


『あ、光らせますね。その方が面白そうなんで。へいライトアップ!』


 神像がぴかぁーっと柔らかく光った。ごめんミーシャ、余計なこと考えちゃったわ。



「!? 神様の像が光ったーーーー!? き、奇跡ッ! こんな大会で奇跡が起きたぞぉおおおおーーーーー!?」

「まじなんにゃコレ? もう神様信仰すんのやめりゅ……」

『あああー! 信仰やめないでっ! 可愛いね、可愛いねミーシャちゃん! はぁー膝の上に乗せてよしよししたい。パンスト尻を』


 めそめそと泣き崩れるミーシャ。

 おいおい、まだ試合中だぞ。しっかりしろよ?


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