エントリー



 私カリーナちゃん! 大親友ミーシャの誘いで、とあるジャンケン大会に出場することになったの!

 でもその大会は脱衣ルールのある裏の大会! 私の柔肌を守るため、ディア君も参加してくれるって……キュン。ディア君、好き! 私もディア君を守るために全力で勝ちに行くからね!!


 ちょうどゴスロリ服を着ていたのも都合がいい。脱衣ルールなら、衣類が多い方が有利だからな。


 はい。というわけでミーシャと一緒に流れるようにエントリーへ。

 ん? なにやら騒がしいねぇ。受付とバンダナやらリストバンドやら付けまくった男が言い争っている。


「おい! この大会に男が参加登録しようとするんじゃねぇ!」

「俺の心は女なんだよ!」

「うるせぇ! お前、酒場で女口説いてたろーが!」

「あれだ、心は女で同性愛者なんだよ!」

「テメェの裸なんぞに誰も金払わねぇから! テメェも大人しく観戦料払えよ!」

「……チッ、女の裸ぁ拝めると思ったのによぉ」


 裏通りの受付のところで男がエントリーしようとして、受付に弾かれていた。

 まぁ当然だろうね。


「……あの、お姉さん。ボクも止めといた方がいいですよね?」

「おお! そこのお嬢さんたち、ジャンケン大会参加してかない!?……うぉ、すげぇ美少女……! え、可愛い……可愛い以外に言葉が出ねぇ……」


 受付の男は私、ミーシャ、そしてディア君の順に見て、ディア君に釘付けになっていた。

 フフ、見込みのある男だな。


「ああ、参加しに来たニャ!」

「くっくっく、いい勝負しようねミーシャ」

「……ぅぅ。参加します……」

「まじか! ありがとうございます! ありがとうございます!!……あ、でも年齢的にギリギリ……いや、なんのための裏大会だッ! エルフならきっと実年齢でセーフってことで……!!」


 性別を隠して、無事ディア君含めエントリー完了。聞かなかった方が悪い。

 いや、ディア君なら剥いても大丈夫か。前に銭湯の男湯に入った時エルフの痴女扱いされたこともあったもんな……


「参加者は16人……4回勝てば優勝だにゃ。私に当たるまで負けんじゃねーぞ?」

「……よくこんな大会に16人も集まるね」

「エロオヤジ共は金払いが良いからにゃ! 負けても裸晒すだけで銀貨15枚貰えるならわりと参加するもんにゃ。ケチな大会にゃ参加者集まらねーからみんな払うし」


 日本円にして15万円(カリーナちゃん調べ)か……! この世界、エロ動画とかないもんなぁ。直接的なお店に落とす以外はこういうことにもなる。


「あと、殴り合いじゃねーから参加者足りなくてもソッチ系のお店のお姉さん達がリザーバー参加するのにゃ」

「本業のお姉さんか。そりゃ強い。精神的に」


 日本でも昔、ポロリのあるタイプの水泳大会ではエッチなビデオに出演する女優さん達が活躍したという。そういうことだ。


 さぁ、闇の大会を始めようか……!

 私の対戦者は悉く靴下を履かせてやるよぉ!!



「……ボク、本当に場違いなのでは?」

「いやマジで今からでも参加やめた方が良いんじゃにゃい? あ、初戦勝てば2回戦の相手は私にゃん。カリーナとは決勝だにゃ」

「…………お、お姉さんはボクが守ります!!」

「マジ無理すんにゃ? な?」


 ミーシャ優しい……今日も縞靴下履いてるのもポイント高いよな。



 あ。そういやミーシャの靴下ですっかり忘れてたけど、ディア君の靴下納品し忘れてたんだよね……


『あっ! ホントだ!? 私としたことがディア君ちゃん靴下を忘れるとは!!』


 神様? 鮮明な声で思考に割り込まないでください。神棚が近くにあるんですかね。


『おのれミーシャちゃん、この子は私をとても喜ばせる! 恐るべし、神を喜ばす尻……! パンスト履かせて16ビート刻みたいですね』


 おっ。神様公認で『神を喜ばす尻』になっちゃったよミーシャ。良かったね。



―――――――――――――――――――――

(大人の都合で大会が丸ごとカットされるかもしれません)

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