チッ、頑丈な奴め
いや死んでないよ? 穴だらけにしただけ。
しかもそれでも倒れなかったから空間魔法で強制的にダウンさせてやったわ。しかもすでに治りかけてた。回復力やべーわ。獣人だからなのか、ガロウ将軍のスキルなのか……
魔法ナシの銃だけで戦ってたら勝てなかったかもな。
「……うごごごご……死ぬかと思ったぞ」
「弾で玉ァ撃ち抜いたはずなのに無事とは……チッ、頑丈な奴め」
「そこはある意味一番ガードしてたからな……だがガードを少し抜いてくるとは……本当に潰れるかと思った……お前あれ反則だろ……」
跳弾(空間魔法)で股下から垂直に上がる
まぁ女だろうと股間から頭に向けて撃ち抜かれたら普通に死ぬので、適度に刺さった所で空間魔法で止めてやる予定だったが。
それでも股間の痛みをおしてまだ戦おうとしてたあたり、本能で戦いながらも本能超越してそうなガンギマリ
「……つーか私、そんな臭う?」
「そりゃもう。どんだけ濃厚なマーキングされたんだ? 完全に混ざって一体になってんぞ。てっきりヒト族に偽装したハーフ獣人かと思ったわ」
獣人度合いでいうとほぼ人間で体臭だけ獣人(しかも狼系獣人のように鼻がいいやつじゃないと分からないレベル)、みたいなやつらしい。
全身モフモフが居るなら逆に全身ほぼ人ってのもいるんだねぇ。
「ま、ここまできたら絶対優勝しろよ。バルバロス王と俺に勝ったんだ、楽勝だろ」
「そうだねぇ、金貨820枚がかかってるから負けられないし……ん? ということは金貨1000枚とか積まれたら負けを認めてもいいのか……?」
「そんな話を持ち掛けられたら俺に言え、そいつを捕縛して勝敗関係なく金だけ払わせてやる。神聖な大会を汚したんなら当然の対処だな」
国家権力ゥ……!! やるなガロウ将軍。そういうことなら安心して優勝できるわ。
「ま、残り2回だろ? 残ってる奴らはそんな提案するようなヤツじゃねぇから安心しとけ」
「そうなのか。ちょっと残念……」
「ちなみに多分決勝はバルバロス王の息子、ウル王子だな……バルバロス王を瞬殺するお前なら楽勝だろう」
それはそうかもしれない。……さ、さすがに決勝戦で瞬殺とかしないよ? ホントホント。
* * *
控室に戻ってきた。
「ふぅ、残りは準決勝、決勝戦で2戦かぁ」
私はスタッフから貰った回復用のポーションをもらいつつ、でも実際何も疲労してないので使わずに収納しておいた。
「お疲れ様です、あるじ様」
「ん、ありがとアイシア。……それで、次の相手はどんな?」
「先ほど決まりましたが、おそらく、あるじ様にとっては今大会一番の強敵です」
今大会一番の強敵。優勝候補のバルバロス王やガロウ将軍は楽勝だったのに、その二人を差し置いて一番の強敵……とな?
「私が苦戦するかもしれない相手ってこと? いったいどんなヤツなの?」
「猫獣人のミーシャ選手です。……その、女性なんです」
……なるほど! そりゃ強敵だな……
ついでに靴下……あわよくば……!
――――――――――――――――――――――――
(書籍化作業……遅れてます!!
代わりに、新作の「いつかお嬢様になりたい系ダンジョン配信者が本物のお嬢様になるまで」が進んでます……
https://kakuyomu.jp/works/16817330667768391252
さ、さすがにそろそろ本腰入れて書籍化作業しなきゃマズいぞ私……ッ!?)
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