いかん、いかんぞそれは!
「我が二丁魔銃は変幻自在!! 2発の弾の相乗効果は縦横無尽、無限の軌道を描くのよッ! しかも連発できる」
「ぬう! なんと厄介な!……しかも、我が毛の鎧を貫く威力、厄介この上なし! しかも連発できるのか!!」
とりあえずそれらしい事を言って煙に巻きつつ、さらに撃つ。腕を横から貫いた。
しかもパンパン音がうるさいので、耳のいい狼獣人には堪えるだろう。
「まさかドワーフの武器がこれほど進化していたとはな……ッ!」
「クックック、ドワーフの里で買ったのだぁ! ご購入の相談はそちらへどうぞッ!」
「武器の宣伝をしに来たのかお前はッ!?」
とりあえず6発ずつ、両手12発を打ち切った。空間魔法でリロードしてもいいが、ここはカッコよさ重視でリロードアクションだ!
カシャンと両手の銃を展開、リボルバー内の薬莢を落とし――って、この銃は薬莢の方が本体でもあった。ちゃんと回収。
そして背中側のホルスターに挿し、空間魔法で手に取りだした弾を手元を見ず6発×2、12発分装填!
そして再び手に持ってリロード完了! タイムは――10秒!!
「……どやぁ」
「隙だらけじゃねぇか?」
「だったらその隙を突けばよかったのに。普通に見ててくれてありがとう?」
「正直な話、ちょっと見惚れてたのだ」
ほう。そんなに銃が気に入ったか。カッコいいもんな! 話の分かる奴だ。
「……ふむ、決めたぞ! 貴様に勝って、手に入れて見せる!」
「普通に買えばいいじゃん」
人の武器強奪しようとするなよ将軍。
先ほど私が壊したエルフの弓はただの武器破壊なのでノーカンだ。ちゃんと試合終わった後返したし。折れてる状態でだけど。
「む? 買えるのか?」
「金貨3枚だったよ。2丁なら6枚だ。あと弾代がかかる」
「いや、その武器ではなくお主の話だ」
「!? 私を買おうってか!? ……ハッ! 金貨100枚持ってこいや!!」
「その程度でいいなら払うが?」
しまった、金貨100枚ネタが通じないだと! 将軍ってば甲斐性あるぅ……
「いややっぱなし。私が優勝したら金貨820枚手に入る予定だし。100枚じゃ安すぎたわ」
「ならば金貨1000枚出そう。嫁になれ」
将軍は堂々と言い放つ。
……1000枚。でもこの将軍の嫁になるのは嫌だな。お嫁さんになるならマシロさんの方が良い。むしろ五大老のみんなやディア君を嫁にするのが私だ。
「……うん、お断りだね!」
「そうか。であればやはり、腕っぷしで求婚するしかあるまい!!……時間稼ぎも済んで、回復したしな」
コキコキと首を鳴らすガロウ将軍。先ほどの傷はもう塞がったのか、恐るべき回復力だ。それともただのやせ我慢か?
「っていうか、なんで急に求婚とかいう話になったのさ?」
「む? それは本心でお主が好ましいと思ったからな。むしろそれほどの発情臭をさせておいて今更何を。人族だというのに、まるで発情期の雌狼だぞ?」
いわゆる婚活というやつではないのか? と将軍が軽く首を傾げた。
……それ! マシロさんのニオイだわ!!
「誤解だよこの野郎!! それは私のオトモダチのニオイだ!!」
「何!? つまり雌同士だと!? いかん、いかんぞそれは! 子ができぬではないかっ! お主のような強者は血を増やす義務があるだろう!?」
「うっせーーーー!! 大きなお世話じゃあーーーーーっ!!」
私は12発の弾丸を2秒で撃ち尽くし、ガロウ将軍の体に風穴を開けまくった。
銃があってよかった、素手だったらうっかり手元が狂っていたかもしれん。
―――――――――――――――――――
(そろそろ書籍化作業入るので更新ペース落とすわよ!)
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