きょ、今日も一日頑張るぞい!
私カリーナちゃん! テラリアルビーの大会に出場中の美少女闘士!
昨日は軽く予選を突破し、第一回戦も無事に勝ったの。ただ、相手に獣人が多かったものだから、モフモフしたくなっちゃった! だからマシロさんを呼んで一杯モフモフさせてもらったの! えへっ!
二日目の今日も優勝目指して頑張るわ!
というわけで、獣人倒しまくって高まったモフモフ欲をマシロさんに満たして貰い挑む二日目です。
いやー、全身モフモフなマシロさんはほんっとこう……抱き心地がいいというか、抱かれ心地が良いというか。
身も蓋もなく言えば、大きな犬に包まれてる感じ。お風呂好きで洗ってある犬の良い匂いだし、モフモフに磨きがかかってるし。
……脱衣所のブラシがこっそりと五大老製になっているの、マシロさんは気付いているだろうか。
「んじゃ、アタシの為にもしっかり優勝してくれよ? カリーナならできるって信じてるからな」
「うん、まかせて。……やっべ、またDV彼氏と彼女ごっこしてる感じしてきた」
「だから分かんねぇって。そういうのいいから」
へーい、とマシロさんの毛並みに顔を埋めた。犬吸いならぬマシロ吸い。
すぅぅー……はー、最高。好き!
と、扉をノックする音。
「カリーナ選手、朝ごはんの準備ができましたが、こちらにお運びしてもよろしいでしょうか?」
「あ、ちょっとまって。マシロさん」
「おっと、ちょっと長居し過ぎたな。見られる前にアタシは帰るぜ。またな」
と、私の頬にもふっとキスしてから、マシロさんは拠点へと帰っていった。くっそこのイケメンめ。好き!
私も服をしっかり着て、スタッフと朝食を部屋に招き入れた。
朝ごはん、朝からステーキだったよ! 何の肉かなこれ。え、ミノタウロス? へぇー、待遇いいんだなぁこの大会の本選出場選手って。
ま、ご馳走さん。食べ応えあって美味しかったよ。
さ、お腹も満ちた。これで身も心も万全に二日目に挑めるってなもんよな。
「あるじ様、昨晩に情報収集してきたんですが……」
「お。どうだったアイシア?」
「なんか、バルバロス王はもう敗退してたそうです」
アイシアは横を向きながらそう言った。寝違えたのかな?
「ほう。それならもう遠慮なく相手をぶっ飛ばせばいいだけだな!……ところでアイシア、そっちに何かあるの?」
「いえ、現実を直視できないというか。お気になさらず」
「そっかー」
うん、なんかこう、私がやらかしてたんだなってさすがに察したよ? ねぇ、私何やっちゃったの? え、気にしなくていいの? 「あるじ様の心赴くままに」って、ホントに大丈夫?
「……はい。今更どうしようもないので!!」
「お、おう」
……きょ、今日も一日頑張るぞい!
* * *
はい。というわけで二回戦かと思ってたなんか三回戦と司会が宣言した二日目初戦。今日は中央のリングで一試合ずつやっていくらしい。
「今大会のダークホーーーース!! カッリィィィイイーーーーナ・ショォォオーーニンッ!! 最有力優勝候補、バルバロス王をあっさり退け、本来は王が行うはずだった11連戦をそのままアッサリこなした超新星!! 冒険者ランクがDだって? ギルドの連中は節穴だッッ!! このまま優勝に向かって猪突猛進ッ!! 我が国の闘士達は、彼女の進撃を止められるのかァアーーーーーッッ!?」
ワーーーーーー!!!!! と、私の登場と共に、盛大な歓声がコロシアムに響いた。
うん。MCが今全部言ったね。そうだねやらかしてたね。
そりゃアイシアも目を逸らして気まずいわけだよ!!
あ、対戦相手のヌンチャク使いは逆にヌンチャク奪ってぶん投げときました。勝利ッ!
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