どんなもんよ!
初戦をあっさり勝利した私は、さらに何人もの連中をブン投げたり押し出したりぶちのめしたりしてやった。
「ガッ、う、か、身体がうごか、ねぇ……ッ!?」
「秘孔を突いた。お前は私が許可するまで喋ることしかできない」
「ま、まいった……!」
時には一子相伝の殺人拳伝承者の如く動きを止め。
「俺様の拳法をくらえ! ハイィ!! ヤッ! ハッ!!」
「当たらなければどうということはない……!」
「ぬぉ……!? い、いつの間にリングの端に……! 場外負けだとぉっ!!」
時には赤色の彗星の如く華麗に避け。
「この剣の錆にしてくれるわッ! いざ、参るッ!」
「のび犬のクセに生意気だぁ! ドガァ! メリコミパンチ!!」
「むごーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
時にはガキ大将の如く何も考えず顔面に拳をめり込ませた。
(尚、相手はダックスフントのような胴長犬獣人だった)
そんな風にバリエーションに富んだ戦い方を披露したおかげか、瞬殺を続けているものの勝利数を重ねる毎に段々と声援が大きくなってきた。
主にアイシアが中心となって「きゃー! あるじ様、げふん。カリーナ選手かっこいいでーーーす! 最強ーー!」と吟遊詩人な良く通るいい声で応援してくれたおかげだろう。
「はっはっは! どんなもんよ!」
私が両手を突き上げると、それだけで歓声がコロシアムに響いた。……あ、いや、今のは隣のリングの勝敗が決まったからかな? てへっ。勘違いっ。
ていうか、もう10人連続でブッ倒してるんだけど。あれ、これトーナメントじゃなかったっけ? 総当たり戦? あるいはわんこ蕎麦? まぁどれでもいいけどね。
次々送り込まれてくるから、もはや流れ作業的なところあるよ。
確か勝利数の分だけファイトマネーも増えるって話だったし、こりゃあ私のランクもCに上がっちゃうなぁ! ガハハ!
……そろそろ苦戦して見せたほうが良いかなぁ? なんて思いつつ、とりあえず対戦相手をラリアットでノックダウンしておく。
「また瞬殺だーーーッ! 一体何なんだこのお嬢様はーーーッ!? 冒険者ギルドはとんでもない刺客を送り込んできたァアアーーーッ」
審判というかもはやタダのMCさんがノリノリで盛り上げてくれている。
と、11人目をぶちのめしたところで今度はスタッフのような格好をした獣人が舞台に上がってきた。
「そいやー」
「わー! まってまって! 違います、スタッフです!」
「おっとっと」
本物のスタッフだったか。
私は攻撃を止めた。もし嘘でも問題ないが、審判も止めてたので本物だろう。
「そっ、そそそ、そろそろご休憩されてはいかがでしょうかっ」
「ん? それはわざと負けて終われって催促?」
「あ、いえ! とんでもない! トーナメント進行上、一旦控室の方へってことです!」
なんだよ、それならそうと最初から言ってよね。
「ああ、そっか。ここまでが予選で、次から本番、みたいな?」
「! はい! はい! まさにその通りです!」
そうかそうか。最初に11人抜きしないと本戦に出場できなかったとみえる。
まぁ、なんせほぼ飛び入りだもんね。流石100人以上の参加するトーナメントだわ。
――――――――――――――――――――――――――
(そっとカクヨムコン9向けに新作を投稿始めました。
いつかお嬢様になりたい系ダンジョン配信者が本物のお嬢様になるまで
https://kakuyomu.jp/works/16817330667768391252
お嬢様志望のダンジョン配信モノです!
普通のダンジョン配信モノと違うのは……ダンジョンがゲーム形式で、
多分無双もしなくて、命の代わりに貯金額がかかってて、
あとVtuberモノでもあるってことかな……!)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます