かくして、返納祭は大盛況に終わった。


 かくして、返納祭は大盛況に終わった。

 準神器『足漕豊穣オシリス』を褒美として授かったこともその要因の一つだ。


「いやー、お祭り楽しかったねぇ!」

「ところでカリーナお姉さん。商人としては今回どれだけ儲けました?」

「……あああッ!? そういえば全然商売してないや……!!」


 お祭りは商人としては稼ぎ時だったのに!


「……運営側で色々忙しかったのと、五大老のみんなをねぎらうのに夢中でそのあたりの事すっかり頭から抜けてた……!」

「お疲れ様です」


 うぐぅ。カリーナ・ショーニンの名が泣くぜ……



 というわけで、お祭りで稼げなかった私だけど、ここはひとつ五大老の権力を使ってお金稼ぎをさせてもらおうかなと思った次第。



 五大老、つまり国のトップが通い妻となった私には、わりと権力がある。

 何かしらお願いをすれば、五大老のみんなが叶えてくれちゃったりするわけだ。


 とはいえ、あんまりにもあんまりな事はお願いできない。

 今回の神器返納は運よく叶えてもいいお願いだったから叶えてもらえたけど、これがテッシンのドワーフちゃんたちを全員私の妻にしてスーパーハーレムにする、とかだったら絶対に無理だっただろう。


 重犯罪を庇ってもらうのも、まぁやめといたほうが良いだろう。

 できなくはないだろうけど、無駄遣いだ。五大老の権力、というか権威が減る。


 そして、国をまたいだ組織である『ギルド』についても権力の及ばないところはある。


 例を挙げるなら、『お酒の取扱い免許』とかだ。

 既にテッシンでは国として最大数を発行しているらしく、新規に私に発行、というようなことは簡単にはいかない。

 既存の免許の持ち主に不幸があったりで引退しても、順番待ちがずらっと並んでいる。


 まぁ、その順番に割り込ませて、というのは可能かもしれないけど……


 流石に真面目にお酒の商売している人に対し、そんな横紙破りはしたくはない。

 先輩とかリスペクトしちゃうカリーナちゃんなのだ。




 というわけだから、ミーちゃん達には手持ちの売り物を全部買ってもらうのと、良い酒造の良いお酒を紹介してもらうだけに留めておいた。


 盛大に色付けて買い取ってくれたから、所持金はなんと金貨2枚!

 日本円にして200万円相当である!(カリーナちゃん調べ)


 そしてお酒取引は基本的にグレーのテッシンでも、火酒はお酒として取り扱うため、ここは個人取引の範囲に収める必要があるのだが――


 なんと「五大老の皆は凄く飲むのでどれだけ買っても個人取引の範囲」という無茶苦茶な理論もまかり通るのだ!! そう、権力があればね!!!



 さぁ、商人としての私の全力――金貨2枚で買えるだけの火酒をくださいな!!




 ……え? 別にこの程度なら普通のドワーフでも飲む奴わりといるからそんな言い訳無くても大丈夫?

 お、おう。そうですか。

 (尚、紹介者割引で1割安くなっていたりもした)



 うーん、まぁこまごまとした荷物が整理できたし、火酒をそのまま他国の商人ギルドに卸しても金貨3枚にはなるらしいし、儲けたといえば儲けたんだけどもね?

 うん。

 ……微妙に釈然としないなぁ?



――――――――――――――――――

(カクヨムコンに向けて新作書きたいのと、あとごじの宣伝したいのとで更新分書くかどうかのせめぎあいが起きている。

 くっ、私の執筆力がもっと高ければ両方書けるのに……!!


 尚、公式アカウントの方はまだ凍結してる模様。どうしよーね?)

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