そりゃ返納してしまうよ!!
ちゃりーん、750SPのお買い上げ。残金1250SP。
……じ、実質250SP稼いだし。
というわけでタペストリーを拠点の部屋にそっと仕舞い、私は教会へと戻ってきた。
神様が奇跡を起こしたこともあり、かなり賑わっている。
「あ、ご同輩。……お待ちしてました、説明を求めます」
「ん? あー」
起きるなりロリシエスタに捕まった。
あれだ、神様が置いた自転車型発エネルギー神器。
ロリシエスタに手を引かれて連れ込まれた部屋に置いてあったのは、まさに見た目エアロバイクなそれだった。椅子の高さは自由に調整できそうだ。
「……というわけで、これは漕げば漕ぐほど世界の崩壊を止めることのできる神器だよ」
「ほほう。そうだったんですね」
多分、エネルギーが溢れる分付近が豊作になったりするんじゃないかな、とのこと。
「つまり懺悔と豊作の神器ですか。……罪人に漕がせる労役が捗りそうですね」
「その発想はなかった」
神様的にはこれで労働靴下を量産して欲しそうではあったが。
「神器を返納したご褒美として授けられた準神器、と説明しておきましょう」
「準神器?」
「神器に準ずる凄い道具ということで。おそらく靴下のものと同じく、同じ神器が増えるでしょうから」
実質ただの神器である。
「名称は……『
「え、名前ついてたの? 私、神様から神器の名前聞いてなかったけど」
「今付けました」
神器の命名ってシエスタがやってんの?
「フフ。神器は大体私が名前を付けてます。神の使徒たるシスターの特権ですね」
「ほへー。ちなみに靴下を作る神器はなんていうの?」
「『
と、得意げに胸を張るロリシエスタ。
うーん、命名規則が良く分からん。
「……しかしこれ、神様は神器を返納した町すべてに配置する気なんですよね?」
「そうだね。シエスタの仕事が増えそうだけど」
「それについては私の靴下収入が増えるのでご心配なく。それよりも、神器の返納がますます加速しそうですね」
……はっ!?
言われてみれば、使っていない神器を返すだけ、じゃあ名誉しかなく実益がない。
そこにちゃんとしたご褒美が追加されるとしたら――しかも有用な、豊穣の神器!
そりゃ返納してしまうよ!!
あるいは、要らないかどうかギリギリのラインの神器も納品してしまう!!
今ある神器とトレードで豊穣の神器がもらえるようなもんなのだから!!
「お、おのれ神様! 私の案に乗っかっただけでなく、返納をさらに加速させる一手だったか!」
「神様的には神器より靴下納品しろってことなんでしょうね」
だよなぁ。神様ならそう言いそう。
はぁー、やれやれ。とため息をついてると、とてとてと可愛らしい足音が聞こえてきた。
「ちょっとカリちゃん!! 打ち合わせと違ったんだけどーー!?」
「あ、ミーちゃん」
ぷんすかと少し頬を膨らませて怒り顔のミーちゃんがやってきた。
どうしてここが分かったのかな? あ、もしや髪飾りにGPS的な何かが?
ンもー、私とずっと繋がっていたいって? 可愛いなぁ!
「あーうん。弁明させて? 私じゃなくて神様の仕業なの!」
「神様の? 確かにウチ達の打ち合わせよりも凄かったけど……」
「むしろ私も今神様に文句言ってきたところなんだよ」
「……それはさすがに畏れ多くないかな?」
まぁそこは私と神様の仲だしな。
結局私が丸め込まれたりタペストリー買わされたりしたけども。
「あれ? じゃああの声って本当に神様の声!?」
「そうだよ。まったく、勝手に割り込んできて。ね、シエスタ」
「ええ。神様は大変お喜びでしたね」
「わ、わ、う、ウチ神様と会話しちゃってたの!? ひゃぁびっくりだよぅ!!」
シエスタからも言われて腰を抜かしかけるミーちゃん。そっと抱き支える。
「そうだバーミリオン様。神様から神器返納のご褒美をいただきましたよ」
「え、あ、シエスタちゃん。ごめんね勝手に入っちゃって……って、ご褒美?」
「はい。準神器『
と、早速シエスタはミーちゃんに『
「なにそれどんな仕組みなの!?」
「さぁ? ですが、解体はできませんよ」
「むむむ、ちょ、ちょっと漕がせて! 実際に試して推測してみるから!!」
ミーちゃんの興味は『
……尚、ペダルを回すには結構な体力と魔力を消費する模様。ミーちゃんは数十回転させただけで汗だくになっていた。
こりゃホントに懺悔とか懲罰用になりそうだねぇ。
―――――――――――――――
(公式アカウントが凍結されてしまった(´・ω・`)
壁紙や試し読みをDMで配ったりしたのがまずかったか……)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます