丸太は持ったか!? ああ!(ソロ)


 私カリーナ! 丸太採取の依頼を受けた私は、ギルドで指定された地区へとやってきたの!

 ここなら丸太をり放題だからいっぱい伐っちゃうゾ☆



「注意点として、管理された植林地では取らない事、か。まぁ当然だよね」


 植林地は比較的安全に木材を取る為の工夫がされており、そこで伐採したら犯罪らしい。

 ……ここ来る前に山で切った奴は大丈夫だよな? あそこ人里からも離れてたし……なんなら錬金王国の領土っぽかったし……まぁ黙っとこ。



「空間魔法についてバラすなら山を丸裸にする勢いで伐採してもいいんだけど……いやそれはそれでダメか。あくまで個人で伐るレベルならってことだろうし」


 1本伐ったらそれを複製するってのもアリか。全く同じ木を納品する事になるから複製がバレるだろうけど……1本ずつコピーしておいて、別の町で納品ならバレないかなぁ。木の種類でバレたりするかもしれないか……将来商人として木材を取り扱うまでは封印だな。


「空間魔法なのは基本的に隠す方向でいくとして……丸太を風魔法で浮かして引っ張ってますよ風にいくか」


 両手に1本ずつとして、一度に2本運ぶくらいには留まるだろうけど。2週間毎日1回運べば目標金額だ。宿代とかを考えるともうちょいかかるかな?


「よし、方針決定。じゃ、やりますかねっと」


 早速手近な木2本を伐り、枝を落とし、丸太にする。

 で、丸太を空間魔法で持ち上げ両脇に抱えるようにして運ぶだけの簡単なお仕事だ。

 あとは徒歩でソラシドーレの町まで帰るだけ……実は浮かせた丸太に私が運ばれている状態なのはここだけの話。


 あと道中、ゴブリンが襲い掛かってきたので丸太でぶん殴って生命活動的に黙らせたりもしつつ、無事に町へと帰還した。



  * * *



「……というわけで、丸太2本納品です!」

「魔法ってすごい……あ、ゴブリン2匹分の討伐証明部位も確認できました。こちらの報酬も入って……銀貨2枚、大銅貨1枚ですね」

「ひゃっほう! こりゃ目標金額まであっという間だな!」


 宿代分かかるかもと思ったけど、討伐分のボーナスもあるのでそれほど時間がかからずに済むかもしれない。


「そういえば、おススメの宿ってあります? まだ宿をとってなくて」

「え?……ああ、そういえば昨日はブレイドさんと飲み明かしてましたっけ。えーっと、女性向けでおススメの宿となると……一泊大銅貨5枚の『白木の魔女亭』ってところがありますね。食事代別ですが、個室でセキュリティがしっかりしてますよ」


 と思ったけど、やっぱり宿代結構かかるかもしれない。

 うーん、大銅貨5枚かぁ。


「……大銅貨5枚、結構かかるねぇ」

「今日くらい稼げるならアリかと。安全には代えられませんし」

「街中もしくは町のすぐ外くらいで野宿できる場所とかある?」

「うーん、スラム地区になりますね……野宿であればタダですけど、カリーナさんみたいな美人が行ったら格好の獲物ですし、止めておいた方がいいでしょう」


 スラム。そういうのもあるのか。近づかない方が良さそうだな。


「冒険者向けの雑魚寝宿もありますが……やはりカリーナさんくらい美人だと襲われかねません。個室をおススメします」

「うーん。ここで私の美しさが裏目に出てしまったか。私の美しさが皆を狂わせてしまうとか、なんという魔性の女……というか私昨日風呂入ってないんだけど大丈夫かな」

「【洗浄】くらいは使ってくださいね、魔法使いなんですし」


 そういう生活魔法もありましたね。風呂代わりにもなるのか、便利ー。


「ん? まてよ……安全が確保できて安心して休める場所なら宿として十分なわけか」

「冒険者ギルド内に寝泊りするのはダメですよ」

「その発想は逆に無かった。いや、魔法で何とかできそうだなって」


 そう。場所といえば空間。つまり空間魔法の範疇なのだ。

 自分の作った空間の中に自分が入り、一時的に出入口を閉じたりだってできる。さすが神様の空間魔法、融通が利く幅が広すぎるぜ。


 そうと決まれば寝具とか内装の買い物だな!


「よし。じゃあ今日の報酬で色々買い揃えるとしよう。なんかこう、寝具とか雑貨を買える場所教えて」

「一体何をする気ですか?」

「秘密ー。ま、犯罪とかじゃないし誰にも迷惑かけないよ」


 こうして私は報酬と合わせて買い物できるお店を教えてもらった。自分のおうちを作るのよ!

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