Fランク昇格!
私カリーナ、今ギルドで先輩と一緒に獲ったスライム核を納品してるの。
魔法を使ったら綺麗なスライム核をゲットできちゃったので査定が楽しみね!
というわけで、無傷のスライム核は高く買い取ってもらえたため、私の取り分5個で大銅貨8枚になった。
そのまま冒険者ギルドの登録料を支払うとしよう。
「ブレイドさんが取ったのをカリーナさんにあげたわけじゃないんですね?」
「ああ。マジすごかったよ。魔法使いって凄いんだなぁ、ばびゅんってなってたぞ」
「なるほど。なら問題ないですね」
私が自力で無傷のスライム核を狩ってこれることもブレイドが証言してくれた。
ありがとう先輩。語彙すくねぇけど。
「ではこちら、カリーナさんの冒険者ギルド証です。Fランクになります」
ねんがんの冒険者ギルド証をてにいれたぞ!
たしかFランクは見習い。それでもちゃんとした身分証である!
これでもう神様の催眠身分証を使わないで済むよ……!
「んじゃ俺は姉御に金払ってくらぁ。またな」
「うっす、色々お世話になりましたっす! またよろしくっす!」
「だはは、なら今度はお前が一杯奢ってくれよ」
私は格好つけて去るブレイド先輩にスッと頭を下げた。
いやー、マジお世話になったわ。木工スキルも教えてもらったし。
特にハルミカヅチお姉さまとの出会い。
絶対、今度は自分の稼いだお金で会いに行くんだ! そしてあわよくば一晩!
「ブレイドさんは酔っぱらってなければただの良い人なんですよね……」
「まぁそこそこ酔っぱらってても良い人でしたよ?」
「シュンライ亭へ連れてかれたらしいじゃないですか。大丈夫でしたか?」
大丈夫かどうかで言われると、貞操を失ったので無事じゃなかったけど。
逆に考えるんだ。むしろ失うものは無くなったと……!
「控えめに言って、そこに最高の出会いがありました」
「……カリーナさん、もしかして女性もいけるクチ?」
「むしろ女性しかいけないかもしれません(中身は男なので)」
「そ、そうですか」
受付嬢さんは少し引いていた。
大丈夫、合意が無ければしませんから!
「あ。そういえば早速依頼受けたいんですが」
「はい、スライム核を追加ですか?」
「丸太を伐ってくる依頼ってありますよね? それをやりたいなって」
「……大変な力仕事ですよ? 魔物に襲われる危険もありますし。ギルド員の同行もできませんし、おススメはできませんが……」
【依頼】丸太採取。 報酬:丸太1本につき銀貨1枚
通常はチームで行くなり、ギルド職員が魔法のカバン(丸太が入るレベルの高価な奴)を持って同行するなりで複数人でこなす依頼だ。
木を伐りながら周囲も警戒し、魔物が出たら倒す必要がある。その上、もし血をまき散らしてしまったら他の魔物が寄ってくるため危険度は跳ね上がる……
そうして得た報酬も、人数割りなので一人当たりの額が安くなる。
正直に言って「木こり」と呼ばれる専門集団でもなきゃやってられない依頼だ。
「というわけで、おススメはこれっぽっちもできないんですが」
「そこは魔法も使うので。襲われたらついでに討伐証明部位でもとってきますよ」
「うーん、魔法ですか……まぁ一度は止めましたよ? 自己責任ですからね?」
念を押してくる受付嬢さん。新人がソロでやるにはどう考えても厳しい仕事。
だからこそ、もしソロでできるなら美味しい話なのだ。
25本も納品すれば、商人ギルドの登録料に届く。
……まぁ、普通に考えたらスライムの核を納品する方が楽だよな。間違いなく。持ち運びも楽だし。
でも、スライムの核と違って丸太は基本的に需要があって値崩れしないのがいい。無傷のスライム核は1日に買い取りできる個数も決まってるらしいし。処理しきれないから。
私も空間魔法がなきゃやろうとは思わないだろうしね。
「一応受理しときますけど、無理だと思ったらすぐ帰ってきてくださいね」
「はーい。ありがとう」
こうして丸太採取の依頼を受けることに成功した。
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