第4話 妖狐の能力?
「食らわんかいアホンダラァ!! これがワイのスモウ道!! “男女平等ドン引き張り手”じゃぁぁあ!!」
「っべぇあらァああ――!!」
河童がヨドミの頬に全開の張り手をかまし、宙に舞い上がった所を小豆洗いがキャッチする。
「ショキィイ!!
「ジャーーー!!!!」
小豆の溢れ返った桶に頭を突っ込まれたヨドミが、小豆と一緒にシャカシャカ洗われて目を回した。
「トドメを刺すんや枕返し! いてこましたれや!!」
「……!」
河童に言われた枕返しは、泡を吹いて倒れたヨドミの頭と足の向きをくるっと変えて河童の元に帰っていった。
形勢逆転――目を回したヨドミに向かって『無意味三人衆』がゲラゲラと笑い始めた。
「ヒーーッハァァァァ!! えらい啖呵切っといてなんやねんそのていたらくはァッパァァア」
「ショキショキショキショキショキ! なーにが妖狐だジャラ、やっぱりいつもの人間のヨドミだシャキ。恐れる事はなーんにも無かったショキ」
「……!」
息も絶え絶えになったヨドミは大五郎へと血眼で振り返った。
「お、おい
深いため息をついた大五郎は、後ろ手のまま燕尾服の裾を風にひるがえしていた。
「ヨドミお嬢様。冷静になったら私たち、妖狐の力が何なのかをまだ確かめておりませんでしたね」
「妖狐の力って一体なんなのじゃ、お母ちゃんは一体どんな能力を……」
「ヨドミお嬢様。お母様は凄過ぎて逆に出来ない事がありませんでした。とても参考にはなりません」
「ならばぁ、儂も全知全能のぉ……」
「いいえ、お母様は
「なんじゃとぉ……」
大五郎の足に縋り付いたヨドミは、足をプルプルと震わせ小鹿の様に立ち上がった。それを見た河童たちが、まだやるんかいと息巻いているのが窺える。
「勿体ぶらずに早う教えるのじゃ爺……お母ちゃんは子どもの頃……つまり儂と同じ一尾の頃にはどんな能力を持っとった? お前は白雪家お抱えの執事であるのだから、お母ちゃんの幼少期の頃にもこうして側に居ったのじゃろう?」
すると大五郎は哀れむ様な目でヨドミを見下ろすのだった。
「お
「は……?」
「察しの悪いメスガキにもわかる様に説明するとですね――つまりヨドミお嬢様の妖狐の能力は、爺にもわからない。という事であります」
「じゃーー!!!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます