第5話白いような
「光くん、お疲れー」
「はい」
「じゃあ、明日はバイトなかったよね、今日寝不足だったみたいだからゆっくり休みなよ」
「はい、ありがとうございます」
「じゃあ」
マスターを見送る
今日は美玖奈さんは、、こなかった
「サキー?」
サキがいない
「どこいったー?」
「おーい!こっちだ!来い!」
「どうしたサキ!」
結構遠いところにいる
帰り道の砂浜の前の道
とりあえず駆けつける
「誰かいるぞ…光」
この砂浜は何かトラブルが集まる場所なのか
よく見ると小さな女の子が倒れている?
倒れてるのかあれ?
「ちょっと行ってくる」
明日は朝早くないから多少時間かかっても大丈夫。
なんで時間がかかる前提なんだか
波が結構そこまで来ている。
よく見ると近くに三脚のカメラがある。
何か撮ってたのか?
「おーい、君ー」
顔を見て安心した。寝ているようだ。
丸っこい顔である。
白いワンピース姿の女の子は突然起き上がった。
「起きた?大丈夫?こんなところで寝てたら危ないよ?」
波もそうだが、もしかしたら不審者がいるかも知れない。
こんな町にはいないとは思うんだけど。
「ん… ぶ」
「大丈夫?」
何か言ったようだが聞き取れなかった。
「大丈夫…」
大丈夫…らしい。まだ目はうつらである。
大丈夫って言うのは、起きたから大丈夫という意味だろけど。僕はそれより体調が心配。
「なんで、ここで寝てたの?」
「…」
まだ頭が回っていないようだ…
しばらくして返事が返ってきた。
「ほし…」
「ほし…?」
ああ、星を見てたら寝てしまった感じか。
たしかにここは、よく星が見えて、綺麗なスポットである。
「ああ、カメラで撮ってたんだ」
「うん」
ずっと真顔な少女
「ねえ」
「どうした?」
「私、あなた、知ってる」
なんだか外国人が言うような言い方で話してきた。
「え?どこかで見たの?家、近く?」
「大学…」
「ああ!文化祭で?」
「違う。毎日見る」
「毎日…?君、学生…?」
「そう、同じ学年、あなたいつもニコニコしてる」
ニコニコ…いい意味なのか悪い意味なのか…
学生…?にしては小さいんじゃ…いや
座っているから小さく見えるだけか?
頭が混乱してくる…
「私、帰るね」
「ああ…気をつけて…」
少女…いや、同級生は小さく手を振った。
立ったら、思ったより身長は高いが…
「同級生…に、あんな子いたっけな…」
「あ、サキ!待たせてたんだった!」
あの子…
あっ
「ねえ、あの人またぼっち飯じゃん。寂しくないのかな」
「かわいそー」
「やめたげなよ」
そう、なかなかの大声で話す女子たち。
その視線の先には、、あの子がいた。
斜め横を少し見ながら学食を食べている。
あの子の周りだけなんだか、不思議な光が差し込んでるような、綺麗な白いような雰囲気が漂っていた。
ぼっち飯はいやだよな。
僕も高校の時はそれでバカにされたことがあるからわかる。
話かけようとしたけど。いきなり声をかけるのは失礼だなと、何か関わりを持ってから話そうと。
あの白いような雰囲気を避けていた。
「みたいな感じの子だった…倒れてたの」
「へぇ…じゃあ明日声かけてみろよ」
それは、少し気が引けるが…
「逃げてばかりじゃダメだぞ?」
サキに正論を言われた。
明日あの子がいたなら、一人でいるなら、声を掛けてみよう。
「よし!寝るか!」
「おやす…」
ピンポーン
呼び鈴がなった。誰だろうか
「石束くーん!ごめん!部屋にわすれものをしちゃって!」
つづく
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