第10話 銀の道



街灯に照らされた道が濡れている

ブーツの踵でアスファルトを蹴り

凍っていないかどうかを確かめてみる

踵が硬い音を立てるが

滑る気配はない


2輪にキーを差し込み

軽いエンジン音を聞きながら

表通りへ進んでみる


国道に出る頃には陽も昇りだし

赤い山を横目で眺めながら

ただ真っ直ぐに走り出す


どうして生きているのか

その意味は

過ぎ去りし日々


この一日を感謝できる日々をと

祈りに近い思いで前を見れば

背中から降り注ぐ陽の光

雨を乾かす前のひと時は


アスファルトが

銀色に輝いて見えた

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