第11話 光る山へ



朝日を浴びて

山脈が光りだす


穴の空いた雪雲の間から

長く続く閃光のように太陽が光を放つ


一陣の風が

咆哮のように雪煙を立ち上げる


一瞬の時が

目の前に白い壁を作る


かじかんだ手を

ポケットから出せずに

俯きかけた顔を前に戻す


巡る季節が与えてくれた白の世界


生きているのではなく

生かされているのかと

問いかけてみる


いつの日かきっと

と呟いたのは昨日の夜のこと


暑い雲を頂上に置いた山が

銀色に輝いて見える


本当の白の色は

輝いている

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