第9話 初詣



朝早くから

神社に集まる人々

その集団の中に

笑いが尽きない着飾った少女達が居る

私は静かに礼拝をする


あの時のように


片意地張った少年は

いつも神社に行く時は一人きりで

集団の中に身を隠し

両手を合わせば

今年こそは

と願う気持ちが合わせた両手に力を篭らせる

幼い心は一人きりの気持ちを

さらに孤独の世界へ誘い

そんな時に現れた賑やかで小さな集団の中に

とびっきりの笑顔で貴女が居た

あなたの喜びは私の喜びであった筈だと


あの頃に呼び戻されてしまう


日陰に残った白い雪が

太陽に照らされ眩しくて

今も心はあの頃のままに

幼い頃の笑顔の素敵な貴女を思い出してしまう

神社からの帰り道

今年も良い年になるだろうと

孤独から解き放たれた心の戻り道

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