第8話 飛翔する者



小枝に蜜柑を刺し

夜明けを待つ


太陽が昇り始めると

空から可愛いお客さまがやって来る


この子達は決して一人ではやって来ない

いつも二人でやって来て

小枝に止まり蜜柑をついばみ出す


一人づつ交代で

食べていない子は小枝に止まり辺りを見回る

可愛い頭を小刻みに振り


太陽が真上に来る頃には

また蜜柑を追加しないと

この寒空の中

わざわざやって来てくれたお客さまに

失礼があってはいけない

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