第4話 薄暗い朝の情景



まだ暗いうちから窓に明かりが灯り

換気扇から白い湯気が吐き出されている

暖かな食事の香りが漂い

その家の母が作っているのは

働き者の男の食事か


近くまで距離を縮めれば

かちゃかちゃと食器の音も聞こえ

一人通り過ぎる私は

何故か故郷の老婆を思い出し


まるで枯れているかのような

細い枝にも似た指先は

いつも働いている時しか見たことのない

大切な寒い村の風景


目の前の葉を落とした木々が並ぶ公園に

いつの間にか手を差し伸べて

届かない思いを掴もうとしていた

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