第34話 時代によって変わるもの(競馬)

 あるときに「ナリタブライアン(三冠馬)がなぜ高松宮杯たかまつのみやはいをはしっているのだろう?」という書き込みがあって、その続きに「1200m…」なんていうレスポンスがあった。

 まてまて、ナリタブライアンは、クラシックで三冠馬になった次の年に引退していて、その当時の高松宮記念が現在と違う「GⅡであり、距離が2000m」であったことを告げるのだが、まだ理解をしていないように見えた。


 ひょっとして2001年になるまで競馬馬の年齢が実年齢でなく「数え年」であることを知らないのだろうか?と思い説明をした。

 ナリタブライアンの活躍したころは、今のジュニア期にあたる年齢は数え3歳であり、年末の朝日杯も「3歳牝馬ステークス」と呼ばれていた事も知らない様だった。

 同時にその頃に古馬(数え年で5歳以上)のレースである「大阪杯」のなく、その時期には3000mの阪神大賞典はんしんだいしょうてんがあり、高松宮記念の時期も別の時期にあったということも知らなかったのだろう。


 現在は当たり前のように「牝馬三冠ひんばさんかん」と言えば、「桜花賞おうかしょう」「オークス」「秋華賞しゅうかしょう」と言われるが、古い時代では秋華賞は存在せずに、その代わりに「エリザベス女王杯」が三冠の位置にあった。

 今年から「ダート三冠」の位置に「羽田杯」が加わったように、年代によって年齢、距離、開催時期がずれていることを気にしないと分からないこともある。


 ひょっとしたら「外国産馬」と呼ばれる馬が「クラシック」や特定のレースに参加することすらかなわなかった時代もあることや、現在はサラブレッドと呼ばれる種類の馬しか参加していないが、「アラブ系」というカテゴリーがあったことも知らないのだろうと思う。

 私は身内に競馬の好きな人がいたため、そのことを知っていて、時代は変わっていることには気づいているが、最初から知らない年代もいることを失念していた。

 

 なるほどこれが年を取るということか。

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