第25話 確率論のトリック

 人間は数字を出されると信用したくなるという性質があるが、その大本である喝立論においても不確かなものは存在する。

 

 東日本大震災の発生する何年か前に『東海、東南海地震の起きうる確率は30%以上」というニュースを聞いた。

 その時にそれ以外の地域、三陸沖の地震発生確率はそれよりはるかに小さいものだったのは覚えている。なぜならその数値が大きければ、そちらの方が見出しになっていたはずである」。

 まあこの場合の30%というのにもトリックが存在する。


 例えば「100枚のうちあたりが1枚入ったくじを引いて30回以内にあたりを引く確率」を求めるときに用いられる方法は、「同じ状況でくじを30回引いてを求め、それを100%から引くというものである。

 そこから導き出すと「東海、東南海地震の起こる確率は1年1%のくじ引きを30回して当たらない確率」と同じ数値だった。


 しかしながら東海、東南海地震より早く、東日本大震災発生している。何故かというとこの場合の地震の起こるメカニズムが確率論とは別の考え方が必要になるからである。


 地球の表面は何枚かの「プレート」と呼ばれるものでおおわれている。わかりやすく言うと、「ゆで卵の殻にいくつかヒビをいれて何枚かに分けたもの」と考えると想像しやすいかもしれない。

 このプレートは片側から地球内部からの盛り上がっていく部分と、もう反対側が地球の内部に沈み込むという形でゆっくり一年で数センチレベルで動いている。

 一例を挙げるとハワイ諸島あたりが、盛り上がってくるところであり、日本の近海までそのプレートはゆっくり移動し沈み込んでいく。これをそれぞれのプレートと言われるものが行っている。

 日本周辺にはそのプレートと呼ばれるものが4つ近接している。そのうちの3つの頂点にあたる場所が「富士山」である。

 このプレートとプレートの境界は大きな活断層かつだんそうのようなものであると考えてもらってもいい。それが左右でなく上と下に重なり太平洋プレートというハワイを含むプレートは日本近海で沈みむ。

 この時に下に指示見込まれる側のプレートは引っ張られるようにある所まで沈み込み、そのエネルギーに耐えられなくなった時に、反発し跳ね上がる。

 このメカニズムが三陸沖で起きたのが東日本大震災であった。


 その時日本の学者は、日本の南側にあるフィリピン海プレートのほうを重点的に観測していたため、盲点となった三陸沖の震源の地震を見過ごした(わかっていても言えなかった説もある)。下手に「地震が来るかも」といったイタリアの学者はその後、地震が来なかったために裁判にかけられることになったし、火山国で、毎日どこかで震度3程度の地震が起きている日本では「心配しろ」といえば、過剰に反応する人もいるだろう。

 

 最も「プレートテクトニクス」という単語を調べれば地球上には数多くのプレートが存在し、その境界も多く存在することがわかる。

 地震が嫌なら地球のような内部のマントル対流のない星に行く位しか対処法はないのだけれどもね。


 最後に、最初に「くじを30回引く」と言ったことの矛盾点は何かということである。これはそれを引く存在によって答えが変わるということである。

 あたりを1回目に引く人もいれば、99回引いてもあたりが出ない人もいる。であるかるから学校の時に聞いたであろう「偏差値へんさち」をつかって、おおよそこの間に入る可能性を「確率論」と言っていて、それには「」高校の確率論で習う場合でも「95%以上の確率」や「99%以上の確率」のまでで100%はない。世の中に絶対はない、それは確率論にも適応される。

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