第16話 マグニチュードと震度

 年末から、地震をあおるような書き込みを動画サイトで見かけるが、1月1日の能登における地震の後、その傾向がひどくなっているので、ここに地震のことについて書いてみる。

 マグニチュードと、震度は地震の時によく聞かれる言葉だが、意味は全く違う。

マグニチュードは地震のエネルギーやその規模を表すもので、震度は地震が起こった結果、起きた被害に対する被害を表したものである。

 そのため基本、マグニチュードと震度は比例するのだが、そうでない場合もある。それは地盤の問題が絡んでくる。三角州や湿地帯など地盤の緩いところは震源地が遠くても、液状化現象えきじょうかげんしょうなどの被害を大きくさせる場合っがある。東日本大震災における、浦安の液状化や、能登の地震においての新潟市内の液状化、これは浦安も新潟の被害地も、埋め立て地であったり、元々湿地に近い場所であったから起きたとも思われる。


 科学的にマグニチュードとは、星の明るさや音の大きさなどと同じく、特殊な計算を行う。マグニチュードは0.2上昇するとエネルギー規模が2倍になり、1.0上がると規模は約1024倍(2の10乗)になる。これを東日本大震災に当てはめるとM9.0 で、正月に起きた能登地震に置き換えるとM7.5~6となる。

 最近よくM5.0程度の地震が多発しているという動画を見るが、あれは過度に不安をあおる行為になっている。注意喚起ならまだよいのだが日本という国は地球上の4つのプレートの境界にできた国であり、そのくらい(M5.0)の地震は毎日どこかで起きているような国である。

 それに比べ東日本の震災はM9.0であり、これはM5.0の地震と比べると2の40乗だからざっと1兆倍のエネルギーの発現であり、能登のM7.6はM5.0に比べてざっと6400万倍となる。

 だからと言って地震に対して無頓着になるのも違うが、過敏な反応をする行為も間違っているように思われる。

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